森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

風の日に

2008-12-06 01:53:54 | 詩、小説

大気がド・ド・ドっと背後から押し寄せてくる気配がした

それらが波のように通り過ぎると

木々が呼応するようにうねり始める

海と同じ音を奏でながら

 

枯葉が雨のように降り注いでくる

私はその雨に打たれたくて

パンを買いに行くと理由をつけて外出する

 

「なんて素敵な季節だろう」

思わずそう言って気が付くのだ

春にも夏にも、秋にも

そして冬の何もない風景を見ても

そう思う

 

そうであるならば日々の暮らしも同じことのはず

「なんて素敵な毎日」

だけどそうは言わない私。

雷雨に出くわして微笑む人はいない

冷たい北風を歓迎する人は少ない

手をこまねいて嵐が過ぎ去るのを待つばかり

 

だけど同じように吹く風の日に

心惹かれる者もいる

パンを買いに行くと理由をつけて外出する

降り注ぐ枯葉の雨に打たれたくて

 

過ぎていく日々はちっとも素敵なんかじゃないが

「なんて素敵な・・」と言ってみる

風の中、舞う枯葉の下を歩きながら

 

 

 

 

 

 

 

 

 ※ 晴れのち雷雨
風が強い日でしたね。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする