森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

Give me!

2009-08-16 00:46:18 | 思いつくまま
ある時私は中学生に英語の問題を出している時に、ふと思いついて、
「敗戦後の逞しい日本の少年少女が、最初に覚えた英語かもね。」と言いました。

もちろん「Hello」「Thank you」もそうかも知れませんが、やっぱり私が映像などで知っているのは、進駐軍に群がる子どもたち。

でも中学生達の反応は、一様に
「?????」

「だって映画とか、ドラマとかでそういうシーンが見たことはないですか。」
そう言ってから、ふと不安に思ってフォローしました。
「私だって見たことはないですよ。そういう時代が終わってから生まれてきたんですからね。」

大事なフォローです。私の実体験と思うとんでもない子供がいても不思議ではありませんから。

子供の時はそうだったと言う人も多いと思うのですが、
30代も40代も50代も皆同じおばさんだし、60、70、80代は子供の目から見たらおばあさんなんですよね。
歴史の不得意な子供から見れば、おばさんは戦争ぐらい経験してるなんて思っているのもいるかもしれないのですよ。

「まさか~」と思うと思うのですが、意外と「まさか」が存在する世の中で・・・
嘆かわしい。だいたい戦後64年と言っていたりしても、ちゃんと聞いていないんだから。

で、話を元に戻しますが、
「戦後日本の子供たちが・・・」で誰もその単語を思い浮かべる子供はいませんでした。

「・・・・ me chocolate!  知らないの?」

でも、
「?????」

「give」だと正解を言ってその単語は分かっても、進駐軍に群がる戦後の日本の子供のシーンは知らないと言うのです。

思わず私はそんなことでいいのかなと思ってしまったのでした。

「僕、そういうのあんまり見ないし・・・」と一人の少年が言いました。
「興味ないし・・・」と別の少年。

ピキッ

空気を読むのが上手な子は、そんなことは言いません。
「興味がないわけではないけれど、たまたま見たことがありません。」
なんて事を言っちゃったりして・・・本当ですか~?

敗戦後の日本の少年少女が、皆進駐軍のジープに群がったわけではないのですが、そんな逞しさがあった事は事実なのでは。

8月、この暑さの中で繰り返される過去の悲劇の伝達。
どんなに語っても語り終わることはないのです。なぜなら時は刻み続け、伝えなければならない新しい子供たちは生まれ続けるからです。伝達の鎖を切ってしまってはそこで終わってしまう歴史の鎖。

いつしか何も経験しなかった者たちが、次の世代に伝える時代が来るのですね。私達はチョイスして伝達してはならないと思います。

悲惨な出来事も恥ずべき出来事もされた事もした事も、かつてそういうことがあったのだと、真実を知りそれを伝えていく役目がすべての世代にあると言えるかもしれません。

そして人々がどうやってその時代を乗り越え生きたのかも、私達は知っていく使命があると思うのです・・・




Give me the truth.
tyotto muriyari? 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする