森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

「LION ライオン 25年目のただいま」

2017-04-21 01:17:34 | 映画

先週の土曜日、カタクリの花を観に行った時、本当は欲張り花の後に映画に行こうと思っていたのです。ところが朝に時間を確認したら、土曜日から時間帯が変わっていて、金曜日までは二回あった公開時間が午前中一回になっていました。すでにあと数分で始まる時間。

一石二鳥的な行動が好きな私ですが、ここの所一日一イベントに甘んじています。

その映画をようやく19日に観る事が出来ました。

映画館では二回から一回に回数が減ってしまったと言うのに、なぜか18日の火曜日、何処のチャンネルだったか朝からずっとこの映画の事を取り上げていました。

テレビの力が大きかったのか、レディスだったのも良かったのか、席はほぼ満席でした。

 

私は「ラ・ラ・ランド」を観に行った時に見た予告編で、絶対に次はこれを見たいと思っていたのです。予告編を見ただけで瞼が濡れました。

「インド」と言う国に魅かれたのも確か。

5歳の時に迷子になって、そこからそのままオーストラリアに養子に行って、そして25年経って自分の家を探すと言う奇跡のような話だけれども実話なんです。しかもその探す手段として用いられたのはGoogle Earth。

「奇跡」の前に、まさに「現代の」と言う言葉を付けるにふさわしいと思いました。

 

この迷子だった少年の成人後を「スラムドッグ$ミリオネア」のデブ・パテルが演じているのですが、この「スラムドッグ$ミリオネア」を見ているか否かで、かなりこの映画の背景の理解度が変わるのではないかと思います。

大人が複数でストリートチルドレンの幼い子を捕まえようとしたら、日本人の感覚で言ったら、それは保護しようとしているんだなと思うとしか選択肢はないと思うのです。だけどこの国では違うのです。

 

頗る丁寧に描かれていて、5歳のサルーが生き抜く2か月も見どころです。

実際に養子を育てたキッドマンの演技も噂通りに素晴らしかったです。

(以下はネタバレしています。)

親切な女性と出会って、食事と寝る所と温もりをくれて、

「明日、あなたを助けてくれる男の人が来るわ。人助けが好きな頼りになる人よ。」と言ったら、もう安心だと思うのですが、この国では違うー。

たった5歳のサルーが、彼らの元を逃げ出したのは、動物的な勘だったのでしょうか。

だけどみんなが危ない人たちと言うわけではなくて、ちゃんと普通の人もいるわけで、彼は保護されるわけですが、孤児院でも一見は教育があり食事がありとかなりまともに思えたのですが、それでも中には子供たちを食い物にする大人たちが紛れ込んでいたりと信じられない世界なのでした。

そんな中で豊かなオーストラリアの夫婦に出会えたことは、奇跡のようです。

そう。

私はこの物語の中で、まさに奇跡だなと思うような事を何度も感じました。

 

自分の子供を持たずに養子を持つ事を選んだ育ての母は(ニコール・キッドマン)、その思考に至った過去の幻影の話をします。

絶望の気持ちを抱いて見つめた先に立っていた茶色の肌の子供。

それこそが彼女の希望の未来の羅針盤だったのでしょう。

子育てがいつも輝いていたわけではなく、普通の母のように時には悲しみと苦悩が存在していました。でもサルーは奇跡を起こし故郷に帰り、そして実在のサルーは、今は孤児の子たちの手助けをしているらしいです。育ての母の見た幻影は、そこに繋がっているような気がしました。

 

優しかったグドゥとの再会を、見ている私も楽しみにしていました。彼もずっと苦しんでいただろうな。その苦しみを、彼はどうやって乗り越えたんだろう。今はどうしているのだろう。

そんな風に思ってドキドキしながら見ていました。

だけど彼はサルーが居なくなってしまった晩に、他の電車にはねられて亡くなっていたのですよね。きっと弟が居なくなって、パニックを起こしてしまったのかしらなどと思ってしまいました。

弟を本当に慈しんでいたお兄ちゃん。

あの時、目を凝らしても凝らしても見えていた兄の幻影。お兄ちゃんはずっとそばに居てくれて、そして帰れと言ってくれていたのかしらと、またまた思ってしまいました。

本当に泣ける (ノД`)・゜・。

 

ラストで実在の二人の母が対面するシーンは、本当の意味でのクライマックスのような気がしました。

そしてまたも長いエンディングで涙を拭いて、普通の顔を作ったと言うのにラストにお兄ちゃん、グドゥの映像が入ります。

止めて !!

また涙が溢れちゃうじゃない。

 

この映画はただ泣けると言うだけの映画じゃないんで、次の記事を貼っておきますね。

25年間かけて故郷を探し出した実話「LION」を“本人”はどう見た?

 

 

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・・・・

 

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2 コメント

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事実は小説より奇なり、 (ボー)
2017-04-29 07:47:24
で、映画の題材に好適でした。
子役の少年が素晴らしくて、もちろん、ニコールもよくて。
グーグルアースって、めったに使わないですが、いい仕事(人助け)してたんですねー!
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ボー様 (kiriy)
2017-04-29 16:44:31
こんな奇跡のお話をほっといちゃ、企画マンたちの名が廃るってもんですよね。
これが事実の物語って言うところで、既に「凄いなあ」って思ってしまいますよね。

グーグルアースには一度だけ嵌っていたことがあって、それで海外旅行していました(笑)
ある時、自分の実家を映してみたら、季節が違うのに雪が庭と家の前の道路に積もっていて、なんだか切なくなって卒業しました。
似たような事がネットでも話題になったけれど、死んでしまった猫がそこに映っていて、思わず泣いたと言う物語も、グーグルアースの泣けるエピソードですよね。
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