開局50周年記念元日スペシャルの相棒、タイトルが長いです。土曜サスペンスぽいような・・・
「犯人はこの中にいる!!」、限られた空間と時間、豪華寝台特急。アガサクリスティの「オリエント殺人事件」張りの推理劇を期待してしまいました。そこまでの推理劇ではなかったものの、「ご一緒に推理をお楽しみください」と言うようなサービス満点な展開だったと思います。
ストラップ・カメラなど丁寧にヒントを映し出したり、聞き間違いかと思うような繋がりを示す(名前など)セリフがあったりで、列車内で起きた殺人事件の犯人とか、その他の人間関係とかは、分かりやすかったですね。
分かりやすいのも当然、殺人事件もメインの話ではなくて、メインストーリーに組み込まれた一部分でしかありませんでした。
ポイントは、なぜこんなにも早く事件が解決したのかというところですよね。
一人旅の公江は怪しすぎ。だけれど、もう一人の妖しい男とどう結びついていくのか。また、右京たちが護送してしている根元は、何に怯え、また誰に繋がっているのか。
結構テレビの前で、御家族で推理トークで盛り上がることが出来たのではないでしょうか。
最後に出てくる星の写真が入っていたペンダントは、いかにも「相棒」らしいエピソードで良かったですね。
公江エピソードには思うこともありますが、新年でもありますし、元より好きなものに文句など言う予定もないことですので、「面白かった、楽しめた」で良かったと思います。
考えようによっては、右京さんも騙されたってことですよね。聡明なことを利用されたわけですが、公江がさりげなくヒントを送っても、ぼんやりしていた刑事だったらアウトだった訳です。
限られた時間、限られた空間。だけれど、あまりに偶然にも多くの犯罪絡みの人たち、秘密のある人たちが乗車していて、別々の事情であったものが、最後はそれどれに絡み合っていたという所が、本当に面白かったと思います。
ですから本音を言ってしまえば、場面を移さずに、カシオペアの中だけで全てが終わるような展開の本格的推理が見たかったかなと思います。
レギュラー陣もいつもと違った場所で、なかなか新鮮に見えました。
そういえば大河内さんは小野田さんに右京さんのことを
「あなたより上手く使いこなせる。」みたいなことを言っていましたね。
早くも挫折してラムネをかじっている大河内さんの姿が、頭に浮かんでしまいました。
「相棒」ファンの皆様、今年もまたよろしくお願い致します。
今年は楽しみですよね。映画公開まで盛り上がっていきたいですね。
2008年10月13日 追記
再放送で、また見ました。
新年に見たときよりも、面白く感じました。都合よくすべてが絡み合っていたことも、意味のあることに感じました。星のペンダントは良かったですね。泣けました。
右京さんの一言に納得ですね。
「天網(てんもう)恢恢(かいかい)疎(そ)にして漏らさず」
天の網のなせる業だったのでしょうか。
ちなみにその意味は
「天の張る網は、広くて一見目が粗いようであるが、悪人を網の目から漏らすことはない。悪事を行えば必ず捕らえられ、天罰をこうむるということ。」
2014年4月29日 追記
映画「相棒 Ⅲ」に合わせて、テレ朝はずっと相棒祭りですね。
何回も、この2008年の元日SPを見たように思いますが、今日は特に心に染みました。
これを初回に見た時は、公江エピには何か不満があったようなのです。でもあえてそれを書かなかった。すると、今読むとそれが何だったのかよく分からなくなっているという都合の良さ。でもそれって大事なことだと思うのです。あえて書かなくても、また感じればいいのですから。ところが私、不満は感じず涙が出ました。
どんなに悔いても起きてしまったことは元には戻らない。時を止めたという公江の発言が胸に迫ります。長山藍子さんのしっとりぶりは素晴らしいですね。
「あの人が・・?」とペンダントを恋人が誕生日に用意していてくれたことを知った彼女のセリフは、静かな喜びで満たされていて、本当に涙を誘いました。
33年の長い年月も星の動きから見ればあっという間の束の間の時間。
だけれど星はその動きを止めず・・・・・。
エピソードが欲張りすぎに感じた2008年。
しかし夫も映画ばりだなと言っていましたが、バッとばら撒いたエピを最後に全て回収して円く終わらせる。
これぞ「相棒方式」なんだと思いました。
ついでに言うと、今回の映画「相棒 Ⅲ」もその「相棒方式」ですね。