―まるまる一日たって、(あらっ、二日になってしまった。あれっ、三日?)心にインパクトが残っている順から書いてみます。―
「お前は早く死ね~、早く死ね~。」
「あのねぇ、あなたがそこで呪詛の言葉を唱えていなくても、もう彼はご臨終みたいですから。」
まったく不謹慎だったらありゃしない、ってなものですが、まぁ、わが殿の気持ちも分からないでもないです。わざわざ遠路はるばる江戸から帰ってきてしまって、鬱陶しいったらありゃしませんでしたから。どなたの事かって、島津斉興のことでございますが、安政5年(1858年)7月16日に斉彬が満49歳で死ぬと、彼が中心に返り咲き時代逆行の藩政をしようとしますが、わずかそれから一年安政6年の9月12日に、未練を残しながらお由羅に看取られながら去っていきます。
満年齢で言うと、67歳。斉彬とは17歳ぐらいしか年齢差が無いんですね。
だけど、うむむ~。斉彬も斉興も家茂も、みんな年齢より老けています~・・・、って、これは関係ないでしたか。
オープニングを見ていて、斉興もお由羅も粘るなと思っていたら、最後だったのですね。しかもワンシーン。これが完全にフィクッションドラマだったら、、いらない再登場だったと思いますが、そうはいかない大河なのかもしれませんね。
ようやく、島津久光の時代がやってまいりました。
鬼になっているはずの大久保さんもいよいよ台頭してきそうですね。でも、あの意見書みたいなものは、評価はどうだったのでしょうか。
インパクト強い順で、「斉興臨終」なんて言っていたら、誰かに叱られてしまいそうなのですが、次に心に残ったのは、美しい打掛の数々です。近頃何が不満かって言うと、篤姫のお着物の地味さです。天璋院なのだから仕方がないとは思うのですが、今まで如何に篤姫の美しい着物に、魅せられてきたのか分かります。
そんな物語に関係のないことばかり言っていて、今回のお話が気に入らなかったのかといえばそういうわけではないのです。
ただ、私はもっとさめざめと泣きたかったのですよ、きっと。
長きに渡って薩摩から江戸まで、そして大奥まで影のように仕えてきた幾島との別れの時です。思い出のシーンが映りましたが、何か物足りません。
いつも思うことですが、この作家様はアイテムを上手く使うことが上手ですよね。
帯刀との別れにはお守り、家定との別れには囲碁の駒、そして幾島との別れには純白の婚礼の時の打ち着。
天璋院が幾島に下付したその白い打掛をもう一度天璋院が羽織と言うワンシーンを美しく彩る為に、その打掛は活躍したのではないかと思ってしまいました。
大奥に居ながらにして村岡を守るという、あまりにも面白すぎのエピソードで楽しめました。だけど村岡の啖呵に感心しました。
「いわば、葵の御紋と同じこと。」・・・・・ジャ、ジャ、ジャーン~♪
別の水戸のご隠居さんの音楽が頭の中で響きます。
「この村岡一生一大の晴れ姿・・」から始まって、「いわば・・」に持っていくまで淀みなくたじろぎもしない度胸の良さがなければ、如何に篤姫の打掛であっても自らの保身は図れなかったと思いました。この村岡は魅力的な老女でしたね。
篤姫を江戸城に上げ御台所にする為に、幾島は篤姫を一身に支え頑張ってきたと思います。その象徴に、その白い打掛を持ってきたのだと思いました。そして、さらに意味深きものにする為に今回の村岡エピソードはあったかもしれませんが、あまりにも村岡と言う老女の魅力、演じている星さんの魅力に、かなりインパクトをを奪われてしまいました。
―幾島や、ああ幾島や、幾島や
でも、まだちょっとだけ次回がありそうです・・・