京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 たすきを渡す

2011年01月15日 | 催しごと
       
                                   唯一の写真は、岡山・長崎・? 
予報どおり、雪の積もった朝を迎えた。あー、やっぱり!の感だった。
ぬくぬくの部屋で、テレビ観戦といきたいものだな… と思う一方で、これも与えられたチャンスに違いないという思いもあって気持ちを前向きにしていたようだ。

広げた朝刊一面の中央には、昨日の開会式で選手宣誓をされた山口県の野村利奈主将の涼やかな笑顔があった。「未来の後輩たちにも希望というメッセージを伝えられるような走りで」盛り上げようという宣誓であったようだ。本人の体験から、エリートでなくても取り組み次第で大きな大会に出られることを伝えたかった、とある。
9年ぶり出場の秋田県の主将は「あきらめずに倒れるまで走る」と誓われていた。
昨年秋、豪雨に見舞われ大きな被害を受けた奄美大島から鹿児島県代表で走る中学3年生の願い。口蹄疫の被災地、宮崎県からの高校3年生の意気込みも伝えてくれていた。

ジャケットの下は1枚多く着込んで、ズボンの下にもストッキングをはき温かめの靴下を。さあ、マフラーをしてと…、これでは山歩きみたいだった。テレビ映りは!?
選手通過予想時間が迫るにつれて2区の沿道も賑わいできた。どこで応援するのがいいのか迷った。万が一にもテレビ画面に収まる瞬間を得ようとスカーフを持参していたし。中継車のカメラアングルは? あれこれ考えつつも運を天に任せ、必死にスカーフを振ってみたが。

うろうろと場所探しをしているときから、行く先々で顔を合わせた母子連れ。
二人が今朝の新聞記事の中学生の母親と弟だった、という嬉しい出会いをいただけたのだ。ふくよかな優しげな方だが、娘が近づいてくるや「ゆきーーっ!!がんばれ!!あと1キロ!!」と猛烈なゲキが飛んだ。さっすが母親だ! 何がどうあれ娘に期待し信じる最高の応援者なのだ。それは大きな喜びで自慢なのだ。それが良く理解できる。
      護王神社
8区中継点を前にして、ペタペタと足音を立て上気した顔の中学生が次々とアンカーの先輩にタスキを渡そうと走りこんで来る。華奢な体だが「倒れるまで」「チームのために」とよく聞くランナーの言葉が真実だと実感させられるほどに強い思いを発散させる姿だった。

この沿道での数時間、寒さに尻込みしたことなど捨て置いて大きな花マルマークの体験になった。
レースで渡されてきたタスキ、憧れを抱き「次」を狙う人たちの心にかかるタスキにもなるだろうと思いたい。
コメント (6)
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