京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 石山詣で

2011年01月13日 | こんなところ訪ねて
     
昨日、立木観音参拝の帰り道、石山寺で車を止めて如意輪観音のご利益にもすがってきた。
紫式部が『源氏物語』を書き始めたという伝説のある石山寺は、西国第十三番札所だ。
東大門の左右には運慶快慶作の仁王が立っている。
         
      
         
物語中、光源氏がお礼詣で石山寺を訪れてもいるが、かつては私も物語のいくつかの舞台を訪ね歩いたりして来た。京都以外にも須磨や明石、宇治、初瀬、石山…と。
遠いはるか昔のこと、記憶は薄れてしまっていて、寺域の広さに改めて驚いた。京に住む伯母と二人で真冬の瀬田川沿いを歩きながら、餡まんをほおばることで暖をとっていたようなことを思い出す。昔、瀬田のシジミは琥珀色だったとか。
  
平安の王朝の女性たちは、任地へ行く夫や親に同行したりしない限りほとんど京の外へ出ることもなかったという。ただ物詣と称して、京の外にある神社仏閣に参拝することだけが旅をする機会だった。

初瀬詣での長谷寺・石山詣でなど、その代表格だ。
朝早く牛車を連ねて出発、粟田道を通り逢坂山を越えて昼頃に大津に着く。そして夕方には石山寺に到着、おおよそ二泊三日の滞在だったようだ。平穏であるだけに狭い体験しかない生活の息抜きをし、癒され、観音さまを心の拠り所とする女たちだった。

すがりつつも祓える邪気は自ら払って、無病息災を心がけるとしよう。「魔を滅する」に通じるという小豆も用意してある。さっそくに、小豆の「おかいさん」は十五日の風習だ。

コメント (4)
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