京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 「カキ」に習う

2013年06月20日 | 日々の暮らしの中で

今年こそと思っていて、またしても見損なった柿の花。もっとも、渋柿も富有柿も枝の剪定などはしたことがありません。手をかけてもらえない木は花芽をつけないのでしょうか。いつ咲くのかと気にかけていましたが、ご覧のように青く小さな実が生っていました。

「柿の木には自己管理能力があるらしい」といわれるのは坪内稔典さんです。柿の木の下、草に隠れて実がごろごろ落ちている時があります。ジューンドロップ(六月の落果)といい、成り過ぎを防ぎ樹勢を保つ柿の木の知恵なのだそうです。過剰にため込んだなにやかやを見直しながら、我が身に良質の実を成したい。柿の木に習いたいと思った私です。

ドキドキして封書をあけますと、大きく太い文字で記された「御礼」の文字が目に飛び込みました。
「日中戦争や第2次世界大戦時に4度中止になったものの、…脈々と受け継がれて、今年89回目を迎える毎日新聞社最古の文化事業となりました」とあります。高野山夏季大学参加申し込みの件でした。
「緑豊かな環境の中で旧交を温める人々や、新たな「一期一会」を求めて、約800人の皆さまが高野山にお越しになられます。今夏の高野山夏季大学が皆様にとって有意義なひと時となりますよう祈念いたしますと共に、皆様のご来場を心よりお待ち申しております」と続いています。

宿坊も決まりました。「○○院」、先ずは思いをかなえさせていただけて○○? いえ、一歩踏み出せただけのこと、真の意味で○○にはなりません。青い実が熟すのは先の先の… そのまたずーっと先の話です。が、希望のある嬉しい名の宿坊です。

わずかな文面に不思議と温かみを感じ、気持ちが高揚してくるのでした。何度も読み返しました。
コメント (8)
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