京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

春深まり

2017年04月23日 | 日々の暮らしの中で
ふらっと訪ねた上賀茂神社では境内で手作り市が開催中でした。
五月五日に行われる神事・賀茂競馬(かもくらべうま)を前にして、一日には、馬足の優劣を定める足汰式(あしぞろえしき)があります。
そして五日に、乗尻(のりじり)という騎手が左右に分かれ、左方は赤い打毬(だきゅう)、右方は黒い狛鉾(こまぼこ)の舞楽装束を着けて馬場を駆けぬけ勝ち負けを競うのです。


馬場の周囲には埒(らち)が張り巡らされてあり、ちょうど馬の足慣らし? 調整をしているところでした。

          馬出しの桜 スタート地点
          むち打ちの桜
          見返りの欅

五日の祭りを終えて、柵(埒)を取り除き片付け終えると、「あぁ、これで埒があいた」と言うのです。八坂神社でも、祇園祭のときに限って年一回、「埒があく」と言うのだと。「埒があく」は、堀川天皇の時代に始まった神事である賀茂競馬から生まれたことばです。

  〈五月五日、賀茂の競べ馬を見侍りしに、車の前に雑人立(ち)隔てて見えざりしかば、おのおの下りて、埒のきはに寄りたれど、ことに人多く立ちこみて、分(け)入(り)ぬべきやうもなし。〉
たくさんの観客が詰めかける様が『徒然草』第41段に描かれています。

大安のお日柄。結婚式でも多くの参列者があったようで、ごった返す賑わいでした。見かけた苗代の緑も鮮やかに、空もご覧のとおりの青空。よい日でした。
コメント (6)
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