伊集院静氏による新聞の連載小説「いとまの雪ー新説忠臣蔵」が今朝は目に留まった。【土間に両手両膝を突いて座る白髪の老人】。この挿絵、物置に隠れる吉良上野介だと直感した。物語はここまで進んでいるのか、12月だものな、と思いながら初めて280回目を読み通した。
このシーンは有名でもあるし、もうずっと前の前の前のことで誰が演じていたかなどは記憶にないが、NHkの大河ドラマを見ている父の横で私も見ていたことがあった。
【貴殿らの目には、たかだか西國の小藩の主君としか映らなかったのであろうな。吉良上野介、武士の真髄を、大きく見誤りましたな】
無念の思いで腹を召された殿の恥辱をお雪ぎするため、四十七名、参上。
映画「決算!忠臣蔵」を公開日翌日に見た。蕎麦1杯が16文、現在なら480円の貨幣価値だという時代で、支出、必要経費はたちまちはじき出され、スクリーン上に数字が表示される。金、金、金。大石内蔵助は討ち入りまでにかかった費用を一件ずつ墨書して残していた。周到な討ち入り準備にかかる高額な支払いもきちんと済ませ、身辺をきれいにして本懐を遂げようとする。
喜劇仕立てということだから人物像設定については、こんなにおちゃらけだった?という思いは封印した方がいいのかしら…。
領収書もない、明細書もない、関わった参加者名簿も闇の中?? 税金の使途が不透明。こんなまやかしが通用するだろうか。