シンポジウム「かたりのチカラ ―社会を結びほぐす人文学の可能性ー」。
新聞紙上で案内があってすぐ(11/17)に申し込んだ。応募者多数の場合は抽選になるとあるし、締め切りは12月10日だったから結果を待つ間の長かったこと。先週末の土曜日、やっと聴講券が届いた。どちらかというと抽選に弱いようで、早々に申し込んでしまって、私の1名分の名は申込者多数の底の底に葬られてしまうのではという思いもあったから、本当に嬉しいプレゼントをいただいた。
京都市に生まれた澤田瞳子さん(母親は作家の澤田ふじ子さん)。土地に、風土の歴史にえにしのあるお方であるだけに第1部の「歴史の語り方、物語の読み方」と題したトークセッションの企画がとても興味深く思えたのだった。
ところが、です。
文章には文章の顔がある。読者はその顔が好きだったり、馴染めなかったりする。「心の目で見ている文章の顔は肉眼の見る素顔とまずはたいていは食い違っている」と外山滋比古さんは言われていた。だから、作家の素顔をひと目見ようとなどと講演会へ足を運んで幻滅…なんてことがないわけではない、と。
澤田さんは外山氏が「読者に顔を見せないほうが無難」とされる凡庸な著者などではない。ぜひ一度お話をお聞きしたい。ただ、サイン会に並ぶという関心はない。これまでも体験したことがない。