京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

安上がりな?豊かさ

2021年01月29日 | 日々の暮らしの中で
    布団着て寝たる姿や東山    服部嵐雪

前書きに「東山晩望」とあって、夕暮れ時の、京都の東に連なるなだらかな東山三十六峰の稜線が「まるで布団を着て寝ているかのようだ」と詠まれている。
東山三十六峰とは通説では比叡山を第一峰とし三十六峰目の稲荷山に続く山並みを言い、鴨川のほとりに「山紫水明処(どころ)」という書斎を建てた儒学者・頼山陽の命名だと伝わっている。



上・左端の比叡山から第11峰目の如意ケ岳まで
下・如意ケ岳(大文字山とも呼ばれる。火床が茶っぽくわかるでしょうか)から・・・なだらかに続いて・・・・・・稲荷山へ

鴨川に架かる北大路橋から河川敷に降りてみた。橋の上からでは、比叡山までは目に入らない。
不要不急ではあったがMARUZENまでぶらっと出かけた帰りに立ち寄ってみたのだった。ただちょっと寄り道してみたくなっただけだが、ここは何にもないが「公園」と呼ばれるところで、書店での立ち時間が多かった足の疲れを休めることにした。もう長いこと休憩目的で店に立ち入ることはしていない。

おいしいコーヒーをいただくことも確かに幸せな瞬間かもしれないが、私にはこうして心休まる景色を眺めて、物思うひとときがとっても豊かな時間に感じられる。それを安上がりな人だと、喜ぶ人がいる。

布団を「着る」と「かける」。金田一京助さんが触れていたことを思い出して帰宅後ページを繰ってみた(『ことばの歳時記』)。
「着る」はいかにも京都的だとある。西日本方面では一般に「着る」をよく使い、江戸なら布団は「かける」ものだと。
「布団をかける」という私。さて、あなたは?

コメント (8)
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