京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

七月七日の素麺

2021年07月07日 | 日々の暮らしの中で

七月七日は、牽牛・織女の二星を祭る七夕。
『駆け入りの寺』(澤田瞳子著)の舞台となった比丘尼御所・林丘寺。ここでの尼の食べ物は、暦によって厳然と定められていて、しかも重要な儀式も兼ねるので間違いは許されず、数日前から当日の料理を練習して備えたということが描かれていた。

この日の夜の献立は、素麺に索餅(さくべい。米粉と小麦粉を練って、棒状にして揚げた菓子)だった。ゆで上がった素麺を盛り付け、井戸水で冷やした汁をかけ、緑色も冴え冴えとした豆と透明な瓜の煮物を添える。ゆで方、湯からの上げ方、汁のかけ方にまで、見習い尼たちには厳しい指導の言葉が飛んでいた。

我が家では昼餉に素麺をいただくことにした。朝から一日雨続き。天の川が氾濫することもないだろうが、今日の逢瀬は先送りだななどと思ってうとうとし始めると、雷鳴がとどろいた。午後3時。やれやれと腰を上げ、傘をさして近くに生えている梶の葉を見に出かけることにした。

      梶の葉だとは思い込み??

長雨の中、一隅を灯すようにアジサイが咲いていた。
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