京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

蝋梅は毒の花

2022年01月24日 | 日々の暮らしの中で

   「ロウバイが
   咲きました」
   という書き出しで
   ふいに手紙を
   書きたくなりぬ
俵万智さんの“クロッカス”をロウバイに変えて、朝、知人に返信をしたためた。
ずいぶん前になるが、キャラメルの箱に入っていた縦5センチ、横6センチのカード。またHi-softを買ってみたくなりました。

この蝋梅は見上げるほどの高さになっていて、花が終わって大ぶりの楕円の葉が出そろった夏場は、それは見事にわさわさと葉擦れの音を立てる。木のものが多い我が家では、梅より一足早い春告げ花となる。
花弁の美しさはもとより、甘く重い香りの高さ。大好きな花だが、先日読み終えた『嵯峨野花譜』(葉室麟)で、「蝋梅は美しくともひそかに種子に毒を持つ、毒の花」と描かれていた。種子には毒があり、誤って食べると卒嘔暴瀉(そつおうぼうしゃ)するのだと『有毒草木図説』から引いている。

クロッカスに変えた花が蝋梅だったこと。季節の巡りに乗っただけなのに、毒のことを後になって思いだしシマッタ!とちょっとだけ思ったのでした。
物語は、不吉な予感通り…。
コメント (4)
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