京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

ひと夜に増しぬ

2022年09月18日 | 日々の暮らしの中で
古来日本人の心を強く魅きつける萩の花



上賀茂神社の境内を流れる川のはたに咲く萩の花。

台風の予報に早くから接し、家のぐるりを、本堂の縁の下など含めて見て歩き、片付けなどしていたから少々気疲れした感があるのだが、いよいよ上陸。
かつては大屋根をつたわった雨水で天水受けがあふれ、境内に水がつくということがあった。それも排水の溝を通してもらって以降は安心しているが、極めて強い勢力と聞いて構え直している。

   池水のひと夜に増しぬ萩の雨   北柿

「露をやどしていた萩に秋雨が降り、露と雨が重なって、池水が一晩のうちに増水したというので、『萩の露』という常套句を伏せて匂わせたのが、一句の取りどころ」
と杉本秀太郎氏は実父・北柿の句を読まれていた。「隠された誇張に俳諧があるわけ」と結ぶ。

まだ早く、ほろほろと散るほどには咲いてはなかったが、近づきつつある台風の雨風に強くたたかれれしまことだろう。
明朝はいかに。明日はのんきに本など読んでいられないだろうか。
一晩のうちに、数時間で…。どんな危険が潜んでいるかわからない。
コメント
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