京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

蛙の月見

2023年08月29日 | 日々の暮らしの中で
二匹棲みついているうちの片割れで、いつもなら水遣りが始まると二手に跳んで身を隠す。
よほど水が恋しかったのか如雨露からの水を気持ちよさそうに浴びていた。


雌雄の判別などつくはずもないが、茶ガマと茶子。見た目がちょっと…だけど、見慣れてみればかわいいやつよ。

蛙といえば思い浮かぶのが、草野心平の詩.

 「秋の夜の会話」
   さむいね
   ああ さむいね
   虫がないているね
   ああ 虫がないているね
   もうすぐ土の中だね
   土の中はいやだね
   痩せたね
   君もずいぶん痩せたね
   どこがこんなに切ないんだろうね
   腹だろうね
   腹とったら死ぬだろうね
   死にたくはないね
   さむいね
   ああ 虫がないてるね

晩秋のある日。寒さと飢えにじっと耐える蛙の会話に託して、現実の生活の厳しさを言っている。


「あついねえ」
夜になってもまだ暑い。虫が鳴いているよ。
まだしばらく地上での日々が続きそうだね。

今夜は雑木林の上に、黄色く丸い大きなお月さんが上がってきた。見上げてごらんよ。
庭は真っ暗だけど、今どこにいる。

眺めてござるか? 

コメント (6)
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