京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

「丸」と「角」と

2008年08月22日 | 日々の暮らしの中で
“目の前に”鷹ヶ峰三山が迫ってきます。
右手、少し平たく天ヶ峰、正面あたりに大きく鷺ヶ峰、そして左は鷹ヶ峰です。
葉が生い茂り展望を妨げますが、はるか遠く京都市内を望める「光悦寺」の庵におかれた椅子に腰かけています。

オイッス オイッス オイッス…
オイヨース オイヨース オイヨース…
川の流れが大きく響きます。
葉ずれの音とともに、涼しい風が流れます。

鷹ケ峰、昔はよほど差し迫った用事がある旅人しか通らなかったらしい。大阪城落城の1615年、本阿弥光悦とその一族親類がやってきて以後賑わい始めたという。58歳、すでに芸術活動で一家をなしていたが、「京には住み飽きたので田舎に住みたい」とかで、家康から鷹ガ峰一帯が与えられたそうな。家康にしてみれば、現実的な治安策にもなるわけだが、広大な光悦町・芸術村ができていくことに。有名な光悦垣。


2年前と同じ、よい香りが迎えてくれた源光院。
丸窓は「悟りの窓」、角窓は「迷いの窓」。
人間の生涯を象徴した「生老病死」「四苦八苦」になぞらえられる角窓。

しばし座って…思いを巡らせて……も、……。
丸と角、その対照的な美しさと静けさに、心が落ち着きます。

誰か、メガホンで大きな声を発しています。
聞き取れませんが、何かウーウーと。
「今は応援しなくていいのよ!」とあわてて制しているのはお母さん。
「おうえんしてたのね~~」と、お母さんと笑い合うのを、3歳ぐらいの女の子はキョトンとして見つめています。
ここにもオリンピックの小さな影響が見られました。

久しぶりに“近くの郊外”へ散策に。
じっとしているのが惜しい、しのぎやすい一日でした。

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6 コメント

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散策 (ryo)
2008-08-23 10:34:09
近くの郊外にこんな素敵な場所があるのですね..。
悟りの窓 迷いの窓 
そう言われてみれば確かに丸窓から見える
限られた空間は悟りを表すのかもしれません~

今日は蒸し暑さが戻って来た福岡です。

しのぎやすい日に、お出かけ、良かったですね。

昨夜はオリンピック陸上で、私も思わず、力が入りました。

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丸窓・角窓 (yattaro-)
2008-08-23 21:32:01
ここ2・3日、じっとしているのが惜しい、しのぎやすさです。
“近くの郊外”に、悟りや迷いの境地に思いをめぐらせる、いいところがありますね。
私などは差し当たって角窓派なんでしょうね。

オリンピック、いよいよ最終日。結果はともあれ、全ての選手にエールを送ることにしましょう。
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北京五輪 (Rei)
2008-08-23 22:04:49
http://hanyu.main.jp/kyoto2.html

ここは何年か前私も訪れました。
京都にお住まいの方はやはり羨ましい!
紅葉の頃が素晴らしいそうですね。


格別愛国者でもないのですが、オリンピックはやはり気になります。

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近いのに異空間 (kei)
2008-08-23 22:47:30
「悟り」だ「迷い」だと言われても、実のところあまりよくわかりません。

少しバスを使って西へと移動すれば、趣が異なる街並みや風景が広がります。

丸いお顔で、かわいい小柄なおじいさんが看板のような?お店で、わらび餅を買い、甘い黒糖味を楽しみながら坂を下りました。(おぎょうぎのわるいこと!?)
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ああ、野球も...です、yattro-さん (kei)
2008-08-23 23:01:16
思いめぐらせても私などには・・・。でも心落ち着く静けさは格別です。

男子マラソンでも棄権者が出て残念なことですよね。故障ぎりぎりの所で誰もが調整しているとかですが、
明日はどうなるのでしょう。

雷です!
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お香の香りが (kei)
2008-08-23 23:13:04
お写真拝見しました。壬生寺も行ってみたいです。
結構若い時から歩いているのですが、まだまだ足を運びたいところは数多くあります。

窓越しに紅葉をのぞいてみたいものです。何か心に響くでしょうか。
この香炉が欲しいくらいに気に入ってます。2年前もありました。
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