京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

漱石も訪ねた山荘で

2022年11月11日 | 展覧会

アサヒビール大山崎山荘美術館へ。
気候が良くなったら行こうと機会を待って、今日になった。
「天下分け目の天王山」。天正10(1582)年、秀吉軍と光秀軍が戦った山崎の合戦の舞台が近い。秀吉は大山崎から天下統一へと乗り出す。

山の斜面に建つ美術館。大山崎駅前から歩いて10分ほどの道だが、行きは送迎バスを利用した。
降りてからも緩やかなのぼり道を進んで



山荘は大正から昭和初期に、実業家・加賀正太郎が自ら設計して建てた別荘だった。夫妻亡きあと平成に入って取り壊しの危機にあうが、保存運動を機にアサヒビールと京都府が連携し、美術館としてよみがえったという。
加賀正太郎は、スイスのユングフラウに登頂した初めての日本人として名を残しているそうで、この展覧会が開かれる背景を知った思いだった。


入り口は狭いが意匠を凝らした、贅を尽くした内装が素晴らしい。

エルンスト・クライドルフ、ハンス・フィッシャー、フェリックス・ホフマンの3人の画家が紹介される。
悪いことをした男の両の頬にヒキガエルがへばりついた。涙を流すことがあって、頬のヒキガエルははがれたが、それは背中に回ってはりついた。一生背負って生きていかなければならない、という展開だ。頬に二匹のヒキガエルの絵…。「おお、こわっ」と友人と顔を見合わせた。

10数枚の『こねこのぴっち』の絵がかわいい。

『ブレーメンのおんがくたい』『ラプンツェル』『おおかみと七ひきのこやぎ』など馴染みのある作品もあった。


帰りは歩いて下った。
「このあとの梅田行きは止めよう。こんないい空気を吸って梅田の人混みに行く意味がない」という友人の言葉を大歓迎で受け入れ、内心ほっとしていた。「行く?」と聞かれたら、「もう体力的に無理だわ」と返事を準備していたくらいだったし。



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