京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

障子を透かす冬の日

2023年01月20日 | 日々の暮らしの中で
今日は大寒。さっそく目前に迫る厳しい寒さを耐えなくてはならない。

裏庭にロウバイが咲きだしている。
おくどさんから出る灰は、この木の根元にまいてきた。その根元からは何本も幹が立ち上がり、見上げる高さになっているが、少し花芽の付きが悪くなったかな。


  しらじらと障子を透かす冬の日や室に人なく蝋梅の花     窪田空穂

障子一枚向こうは厳寒の廊下。暖房した部屋から一歩出れば、我が家は最近よくテレビから聞こえる典型的な〈寒い家〉。
でもねえ、昔の人は火鉢一つで暖をとっていたのだから…。などと思ってみても、やっぱり寒い!

中学生、高校生には入学試験を控える時期となって、寺子屋エッセイサロンも欠席者が出る。
蝋梅の花を飾って、それぞれの進路が決まる日を心待ちにしよう。明日は私も欠席する。


昨今、読解力の低下が言われる。
それは、得た知識を基に自分で考え、想像し、表現する力が欠如しているということで、言葉の力がないと、社会のことも理解できないし、他者との関係もうまく結べない。生きていく力を奪い取られているのだ、との指摘があった。

孫娘が日本で暮らした4年間ほどのうち、学年が上がるにつれて教科書の文章や問題文を読みこなせなくて苦労する姿を見てきた。
「日本語の〇〇〇って、英語で言うとなに?」「英語の▢▢▢は、日本語でどう言うの?」
これは読解以前の問題だが、教科書も満足に読めない中学生が案外多くいる現実を見てきた。


「真の読解力は人間への洞察が伴うのではないだろうか」。
これは数年前の社説にあった言葉だが、「多感な時期の子供たちには多くの文学に触れてもらいたい。文字の世界を楽しむ心が育ってほしい」、と結んだ言葉に共感した。

たくさんの良い言葉に出会って、いくつもの人生を知り、枝葉を豊かに茂らせてほしいものだ。

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4 コメント

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おはようございます (siawasekun)
2023-01-21 02:01:14
素敵なショットと解説から様子、雰囲気などが伝わってきました。

見せていただき、とてもsiawase気分です。

ブログ交流で、ちょっと得した気分、いいものですね。
応援ポチ(全)。
返信する
大寒波が siawasekunさん  (kei)
2023-01-21 20:13:01
お立ち寄りいただきありがとうございます。

空気が肌を刺すような厳しい冷たさに…。
大きな寒波がくるようですね。
お大事にお過ごしください。
返信する
Unknown (myochan_2006)
2023-01-22 18:05:14
ブログの文章すべてに同感、共感します。
短歌もすてきですね。
和の美ですね。

言葉が子どもを救うと思います。
感情の起伏、振り幅、人生の山や谷を本から知ってほしいです。
世界は広くて美しいこと。
また、大けがする前に知ってほしいこと。
様々です。

高学年で活字に拒否反応を示す子を目の当たりにして、中学校の勉強や受験がとても心配になりましたが、やはり教科書でもままならない子がいるのですね…。

お仕事と、それから子どもたちに実りある一年となりますように✨
返信する
言葉が救う myochan_2006さん (kei)
2023-01-22 23:02:42
こんばんは。

「高学年で活字に拒否反応」
先日のブログに綴られましたのを拝読しました。
毎日学校で子供さんたちと接してらっしゃるだけに、
思いは深くおありでしょう。

子どもは何かのきっかけや感動に出会えば自分の意思で一歩を踏み出す、とですね。
やりがいのあるお仕事。お気持ちが汲めます。

コメントありがとうございました。
嬉しく拝見いたしました。
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