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古今和歌集の歌人たち ご案内

2021-09-17 08:04:46 | 古今和歌集の歌人たち

     古今和歌集の歌人たち  ご案内



古今和歌集は、醍醐天皇の命令により編纂された、わが国最初の勅撰和歌集です。
これ以後、次々と勅撰和歌集が作られていますが、それぞれがそれぞれの時代に応じた時代背景や活躍している歌人たちにより特有の世界を生み出しています。
しかし、どの勅撰集においても、陰に陽に、古今和歌集の影響を受けていると考えられます。陰に陽にと表現したのは、見習おうとしたり、影響を排除しようとしたり、といった意味です。と言いながらも、勅撰和歌集のすべてを勉強しているわけではないのですが。

簡単に古今和歌集の内容を列記しますと、
☆ 成立したのは、905年(延喜5年)と考えられています。
☆ 勅命者は醍醐天皇。撰者は、紀友則・紀貫之・凡河内躬恒(オオシコウチノミツネ)・壬生忠岑(ミブノタダミネ)の4人。
☆ 規模は、全20巻、1111首(流布本)。全体の分類は、「 春上・春下・夏・秋上・秋下・冬・賀・離別・羈旅・物名・恋1~5・哀傷・雑上・雑下・雑躰・大歌所御歌 他 」の20分類になっています。
☆ 掲載されている歌人の数は、130人弱ですが、名前が判明していない人(読人しらず)を勘案すると、200人を遙かに超える可能性もあります。
ただ、作者の歌数などを考えてみますと、読人しらずとなっているものが450首余、撰者となっている4人の歌が240首余、この両方で全体の6割を越えることになります。また、読人しらずを除く歌数に対する撰者4人の比率は1/3を越えており、歌数の偏りが少し気になります。
☆ 古今和歌集の歌人について、多くの研究書は、次の三期に分けています。
第一期・・・読人しらずの時期  嵯峨・淳和・仁明の御代で 809 ~ 849
      古今和歌集は万葉歌人を採録しない方針と考えられるも、その時代の歌が多い
第二期・・・六歌仙の時期  文徳・清和・陽成・光孝・宇田(一部)の御代で 850 ~ 890
           後世の人が六歌仙と名付けた歌人を中心とした歌人
第三期・・・撰者たちの時期  宇田・醍醐・朱雀の御代で 891 ~ 945
           撰者と同時代の歌人

勅命者である第六十代醍醐天皇の御代は、平安京に都が移されて100年が過ぎ、天皇親政が最も安定していた時代です。古今和歌集編纂の背景には、朝廷政治の安定と自信があったと推察できると思うのです。

古来、古今和歌集に関する研究書や注釈書は数多く発表されています。本稿を書くに当たっての私もそうですが、公営の図書館に行けば、古今和歌集に関する資料や、代表的な歌人に関する資料は、かなりの物を見つけることが出来ます。
ただ、本稿の目的とするところは、先人たちの優れた資料に対抗しようということではありません。掲載されている和歌の新解釈を試みようとするものでもありません。

本稿の目的は、古今和歌集に登場してくる歌人と和歌をもとに、その人物が「その時どのような景色を見ていたのだろうか」といった視点で、想像し、空想し、彼らが見た景色の一端を覗いてみたいということです。
きっと妄想の類いが主流になるのではないかと懸念してはいるのですが、それも覚悟の上で試みてみたいと思っています。
どうぞ、よろしくお願いいたします。

     ☆   ☆   ☆


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