石川直樹『最後の冒険家』(集英社)
★★★★★
気球について知りたいと思っていたところに、そういえば
『いま生きているという冒険』に気球にまつわる記述があった、
と思い出して、読む。
著者のことはほとんど知らないものの、『いま生きて~』で、
自分の体験と考えを適切な言葉に置き換えることのできる
人だなあ……という印象があったので、今回も期待していた。
これは正解。
ノンフィクションは人を選ぶ気がするんだけど、
文庫落ちもしているので、興味を持った人はぜひ読んでほしい!
交通機関も発達し、前人未踏の地というものがなくなった現代において
かつての「冒険」「探検」を行うことは困難になった。
神田道夫はかつての冒険家の系譜に連なる最後の冒険家であった……
というスタンスで神田氏との出会いから、彼が行方不明になった後までを
つづったノンフィクション。
神田氏がどうなったか、と知っていて読んだからなのか、
冒頭からすでにもの悲しい。
そして無茶な計画であったために、同行を断られ続ける
2回目の熱気球太平洋横断遠征についての下りには、
結末がわかっているだけに本当に胸が痛む。
毎年、雪山に登山したあげく遭難した人たちのニュースを見て、
「捜索隊は本当に大変だなあ。危ないってわかってるのに、
まったく関係のない人まで危険にさらして、はた迷惑なことだ」
と腹立たしく思っていたのだが、これを読んで、
わざわざ雪山に登ろうとする人たちの気持ちも
ちょっとわかったような気がする。
★★★★★
気球について知りたいと思っていたところに、そういえば
『いま生きているという冒険』に気球にまつわる記述があった、
と思い出して、読む。
著者のことはほとんど知らないものの、『いま生きて~』で、
自分の体験と考えを適切な言葉に置き換えることのできる
人だなあ……という印象があったので、今回も期待していた。
これは正解。
ノンフィクションは人を選ぶ気がするんだけど、
文庫落ちもしているので、興味を持った人はぜひ読んでほしい!
交通機関も発達し、前人未踏の地というものがなくなった現代において
かつての「冒険」「探検」を行うことは困難になった。
神田道夫はかつての冒険家の系譜に連なる最後の冒険家であった……
というスタンスで神田氏との出会いから、彼が行方不明になった後までを
つづったノンフィクション。
神田氏がどうなったか、と知っていて読んだからなのか、
冒頭からすでにもの悲しい。
そして無茶な計画であったために、同行を断られ続ける
2回目の熱気球太平洋横断遠征についての下りには、
結末がわかっているだけに本当に胸が痛む。
毎年、雪山に登山したあげく遭難した人たちのニュースを見て、
「捜索隊は本当に大変だなあ。危ないってわかってるのに、
まったく関係のない人まで危険にさらして、はた迷惑なことだ」
と腹立たしく思っていたのだが、これを読んで、
わざわざ雪山に登ろうとする人たちの気持ちも
ちょっとわかったような気がする。