金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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現在、記事の整理中。

94:清水潔 『漢字のなぞかけ字謎のふしぎ』

2017-10-13 17:46:00 | 17 本の感想
清水潔『漢字のなぞかけ字謎のふしぎ―あなたの日本語IQが上がる』(実業之日本社)
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

一口で言えば、漢字を当てるパズル、またはなぞかけである。
しかし、いわゆるパズルやなぞかけとも違う。
字謎は、漢字に隠されている面白い意味や意外な事実を
明らかにする知的なゲームや文芸でもある。
中国で生まれた文字は、古代の人々のものの考え方、行動や暮らし方、
それらを制限する当時の社会の規範などが、
文字を創るときに反映されている。
そのため、字謎で漢字を分解していくと、
漢字一つから古代の社会や歴史、哲学、さらには美学までが見えてくる。
本書では、字謎を解読しながら、
そうした古代の文字製作者たちが文字に込めた、
あるいは文字に隠した意図の解明にできるだけ近づき、
漢字の面白さを伝える。

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「別れると一人、さてどんな字?」
というような漢字に関するなぞなぞや、
折句のような言葉遊びを紹介した本。
室町時代や江戸時代のなぞなぞもあって興味深い。

簡単な漢字もあるけど、ある程度漢字にくわしい人じゃないと
答えを聞いても「ぽかーん」となりそうなものが多いので、
身近な人に出題して楽しめるそうなものは限られているけど、
昔のインテリの遊びといった感じでおもしろい。

「秋の蚊が 吸はうとするが 身の終わり」

旧国名が6つ隠れてる折句。
こういうの、とても楽しい。

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93:今野真二 『図説 日本語の歴史』

2017-10-13 17:31:51 | 17 本の感想
今野真二『図説 日本語の歴史 (ふくろうの本)』(河出書房新社)
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

日本語はどのような姿かたちをして残されてきたか。
貴重な文献の数々を眺めつつ
「書きことば・はなしことば」のありようを読み解く。

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古事記や今昔物語集、土佐日記などのいわゆる「古典」や
各時代で作られた辞書などの文献資料の写真を載せ、
それぞれに書かれた日本語の特徴を分析することで
言語の変遷がわかるようになっている。
個人的には、伝わっている古典を「土佐日記」や「源氏物語」と
ひとくくりにしてしまうのではなく、
「〇〇本と××本と△△本が伝わっていて、〇〇本には□□巻が欠けている」
という異本の説明がちゃんとなされていること、
それぞれの比較もされていることがうれしい。



日本語はどのような姿かたちをして残されてきたか。貴重な文献の数々を眺めつつ「書きことば・はなしことば」のありようを読み解く。
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92:山本博文 『明治の金勘定』

2017-10-13 17:18:07 | 17 本の感想
山本博文『明治の金勘定 (歴史新書)』(洋泉社)
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

近代化に邁進する明治の物価はどうだったのだろうか?
また、明治時代の一円は現在だといくらの価値があったのか?
西洋文化の導入とともに新たな商品が生まれ高価な値段で売買された。
当時の自転車は今では高級自動車並みの値段、約四百万円相当だった!
食物、給料、文化、娯楽、交通など、現代価格から換算すると、
ホントの明治の暮らしが見えてくる。

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明治40年の、漱石の朝日新聞社からもらっていた月給が
200円(現在だと400万相当)だと書いてあって
めちゃびっくりした……。
帝大卒は待遇がかなりよかったとのことだが、
年収の間違いじゃないかと目を疑ったわ。
金がない金がないと嘆いている啄木も、
月給30円(60万円相当)もらっている。

1円で買えるもの、明治人の収入、
新聞や上野動物園の入園料といった身近なものの代金などなど、
お金の問題にしぼって扱ってくれているので、
それを目当てに手に取った人にはかなり役に立つのでは?

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