吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

「お餅を詰まらせたら掃除機」実は危険!その理由は…? その3

2019年01月28日 06時31分10秒 | 日記
 さて、気道遺物除去法についてであるが、その1のニュースをあげたが掃除機が推奨されない理由が笑止である。「衛生的問題」「口腔内、肺損傷など二次損傷の危険性」「誤って奥に押し込んでしまう恐れあり」「舌を吸い込んでしまう恐れあり」とかまさに的外れである。
 窒息による気道閉塞は分を争う緊急病態である。掃除機をさがしている間に傷病者は亡くなってしまう。ちょっと考えれば分かるはず。
 窒息による完全気道閉塞の場合、空気の出入りができない。つまり鼻と口を押さえて息をさせないのと同じ。この息を止めさせた状態で人はどのくらい生きられるのか? おそらく素潜りで達者な人でも数分が限度だろう。それ以後は意識を失い心停止に至るのである。つまり掃除機が現場に到着している間に傷病者は死亡しているのである。
 衛生的問題でも二次損傷の問題でもない。