吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています

危ない危ない! その3

2011年11月11日 07時08分27秒 | インポート

 最近、咳の長引く患者さんが多い。風邪の延長か、気管支炎か、あるいは肺炎もある。近年では咳喘息などという概念もある。また結核や悪性疾患などもあるがその診断は容易ではない。ところで咳の長引く患者さんの多くは治療の内容のかかわらず時期が来れば自然終息してしまうことも多いのである。患者さんは時々なかなか治らないので別の医療機関に行くこともある。事実「〇〇診療所でよくならないのこちらにきた」という患者さんもいる。たまたま時期的に症状がおさまると「前医はヤブ、後医は名医」となってしまう。まあしかしながら、うちからよその医療機関に流れていく患者さんもいるのであろうから、このようなこちらも気が抜けないのである。


危ない危ない! その2-②

2011年11月10日 06時45分03秒 | インポート

 翌日、胃カメラを施行して驚いた。どうもあやしい病変があるのだ・・・。とりあえず生検して結果を待った。その後、切除が必要な病変なので大学病院に紹介状を書いてご本人に渡した。それにしても胃カメラなどはまだまだ「億劫」で受けたがらない患者さんも多いのである。その人をうまく説得して検査を受けてもらうには、その勧めるタイミングはきわめて難しい。嫌がるのを無理に勧めてもいけないし、かといって検査をしないで重大な病気を見逃しても困る。胃カメラも苦しい検査ではなくなりつつあるが、それでも苦手な人には苦手なのである。大昔、開業医の先輩に言われたことがある。「開業医が胃カメラ検査を勧めるのは難しい。早めに胃カメラを勧めると『あの医者は行くとすぐに胃カメラやろうと言う。すぐに検査を勧める』といわれる」とのこと。 開業したならどうも精密検査をすすめるタイミングが難しいのである。


危ない危ない! その2-①

2011年11月09日 07時15分41秒 | インポート

 以前もこんなことがあった。高血圧で通院中の患者さんである。あまり定期的な採血や検査を好まない方である。「そろそろ採血の時期ですけど?」と勧めても「いや~検査はいりませんよー」とやんわり断られるのが常であった。ところが腹部が重く食欲がないと来院した。患者さんのほうから希望されれば別であるが、自分は胃カメラの検査を初診時から予定することはほとんどない。普段なら胃薬を処方して様子を見ましょうというのだが、この日だけは「へんな予感」がした。あまり乗り気ではない患者さんの言葉を遮り、「明日すぐ胃カメラやりましょうね」と割と強引に胃カメラを勧めた。(たぶん何もなかったらこの患者さんには嫌われるだろうな)と半ば賭けみたいな気持ちであった。


危ない危ない! その1

2011年11月08日 06時26分09秒 | インポート

 先日、近所に住むかなりご高齢のご婦人がこられた。耳も遠いしほぼ認知症もある。普段からおとなしくあまり喋らない方ではあるが、前日まではいつもと変らぬ生活をしていたそうだ。デイケア施設で38℃あるのでお宅に帰されたそうである。家人があわてて車椅子で外来に連れてきた。ところが普段とまったく変わりがない。咳や鼻水があるわけでもない。咽頭は発赤もなく胸部の聴診でもcrackleなどは聴取しない。またSpO297%と正常である。つまりまったく発熱以外、所見がないのだ。通常なら「様子見ましょう」で帰宅させるのだが、いかんせん100歳近い高齢なのである。高齢になればなるほど重病でも症状や所見が出てこないことはよくある。念のため胸のX線をとったが、ガビーンと目が点になった。見事な肺炎である。まったく症状がなくてもこんなになってしまうのかとあらためて驚いた。すぐ入院設備のある病院に紹介してとりあえず胸をなでおろした。X線とらなければ手遅れになるところだった。


大学病院が好き その2

2011年11月07日 06時35分19秒 | インポート

 大学病院勤務時代、診断書など多くの書類を患者さんから求められることがあった。今は知らないが、当時は文書が作成されて患者さん(またはご家族)の手元に届くまでには10日~2週間はかかった。なかには受けもち医がなかなか書かないので1ヶ月以上になることもあったようである。しかしあまり患者さんから早くかいてくれと言われたことは記憶にない。大学病院ということで患者さん側もあきらめているのだろうか? 間にいる病院事務の方も大変であったろう。ところが開業してからこのような書類は患者さんが来院し、当日お帰りになるまでには書き上げてお渡ししている。遅れても翌日までには書き上げるようにしている。開業してからは何か地域で特色をださないと生き残っていけない。「書類の早さ」は売りになるのかと思っているのだが、しかしながら患者さんから「あ~じゃあ3日後に取りに来ますよ」と言われると、「何だ急がなくてもいいんだ」とガッカリする。どうも書類の早さなどはありがたがられないようである。


大学病院が好き その1

2011年11月05日 07時54分59秒 | インポート

 大学病院でインフルエンザを受けてほしくないので大学では価格を高めに設定するという噂は確かに本当かなと思わせるフシもあります。大学病院は、大学病院に与えられた使命というか機能があります。それは高度先進医療であり専門的治療でもあります。ところが外来に一般的な疾患の患者さんが通院していることがよくあります。自分が大学勤務のときにも、「えっ? 近くの開業医でもいいじゃんじゃない?」というくらいの一般的な疾患の患者さんで外来が混雑していました。自分の外来でも「1時間以上も通院にかかるのでは大変でしょう。お近くの先生にご紹介いたしますよ」とよく話したが、あにはからんや話をよくきいてみると、遠くても、また外来待ち時間がどんなに長くても、どうも「大学病院大好き症候群」のようなのである。これだからインフルエンザ・ワクチンが¥5000でも大学病院で受ける人はあとをたたないのであろう。


インフルエンザ・ワクチン

2011年11月04日 07時09分58秒 | インポート

 昨年度、インフルエンザ・ワクチンは新型ワクチンということもあって、区から指定された額で統一されていました。今年度はワクチンの種類は一種類であり、以前のように各医療機関にゆだねられた設定額ということで自由に料金がつけられています。当院では前々年度と同じ額であり¥3000(税別)で2回目以降は割引して¥2500(税別)としています。知りあいのクリニックでは最初から¥2000というところもありましたが、まったくの出血サービスだそうです。あっ、「出血」といっても注射のたびに血が止まらなくなって難渋するということではありませんが。また大学病院では¥5000というところもあると聞きましたが、これは大学病院で接種をしてほしくないからこの価格に設定するのだとの噂・・・。さて真偽のほどは? 


平成23年11月

2011年11月02日 06時45分08秒 | インポート

 さて11月になってしまった。先月で長寿健診は終わりである。特に10月の下旬は長寿健診の期限が迫ったためバタバタと駆け込み受診者の方が多かった。そしてインフルエンザワクチン接種者の方も徐々に増えてきており10月後半はめまぐるしかった。・・・といいつつ定期的に通院されている、いわゆる健康保険での受診者数は今までとまったく変っていない。ということはほとんど保険収入は増えていないにもかかわらずやたらと忙しかったことになる。もちろん「病気の治療」だけではなく「病気の予防」も重要なのでワクチン接種や健診業務も必要である。これら業務は区から一手に医師会が請け負っている。つくづく医師会という存在は地域に貢献しているのだなあと実感している。大学勤務時代にはこんなことはまったく考えもしなかったことである。


学会出張 その8

2011年11月01日 06時43分17秒 | インポート

 さてようやく離陸して羽田についた。最終着陸態勢に入り機体は高度を落とし滑走路の真上に来た。ところがいきなり機体はエンジンを全開にして急上昇したのだ。何事かと思った。

機内アナウンスがあって分かったが「前に着陸した飛行機が滑走路にまだいるので着陸できない」のだそうである。確かに混雑した日曜の夕方~夜の羽田である。おそらくは分刻みで着陸しているのだろうと想像はつく。しかしこのことで管制塔も滑走路に前の飛行機がいる状態で「見切り着陸許可」を出しているのだなと推測できた。結局、急上昇し、東京湾を旋回し千葉~木更津上空にもどり再度着陸態勢に入るまでには20分かかったのである。東京湾を飛行機で1周するのに20分かかるのだと知ることができたのはいい経験である? それにしても博多駅から新幹線に乗っていたほうが東京駅着ははるかに早かったのである。新幹線で座席をリクライニングして缶ビールと福岡の駅弁で帰京したほうが早くて楽で安かった。今回はもったいないことをした。