きっと、いいことあるよね!

母(sake)と息子(keke)の日々の記録。
お出かけ写真と料理など。

先週の通院

2005-05-29 | 父の記録と母の思い出

家に帰る途中、道りをはさんだ向うから父が歩いて来るのが見えた。
「あ、おじいちゃ~ん」と手を振ると、目があまり見えない父は信号を無視してこちらに歩いて来てしまうかもしれないから、信号が変わるまで待った。そして、信号が青になったので、渡って父を呼ぼうとしたら、父は目の前にあるカラオケ喫茶に入ってしまったのである。

そこは父がよく通っているカラオケ喫茶(夜はスナック)だった。しかし、今はもうすぐ夕食時である。また妹が「夕飯なのに(父は)どこに行ったんだろう」と心配するだろう姿が目に浮かんだので、急遽妹にチクリに実家に舞い戻った。

「今そこで、おじいちゃんがいつものカラオケ喫茶に入って行く所を見たよ。」
「え!さっきまで居たのに。もう夕飯なのに・・・そうそう、先週は火木金と通院だったの。」

妹の話によると、先週は痴呆と内科と整形外科と3日間診察に付き合ったそうである。糖尿の方は今年に入ってから、妹が薬を管理して、朝昼晩必ず飲ませているので、明らかに血糖値が下がって先生にも褒められたそうだ。
「それでね・・先生がこれも妹さんのお陰ですねって言って、お礼の一言でも妹さんにありませんか?みたいな事をおじいちゃんに言ったのね、そしたらさぁ。」
「そしたら?」
『いつも怒られて怖いから、お礼は要らないんです』って先生に言うんだよ。(怒)」

ぶッ、と噴出しそうになるのを堪えて、
「まぁ、でも、お母さんの事もよくそう言う言い方してたよね、うちの家内は怖いんです、とかって。それジョークのつもりなんでしょ。」
「そうなんだけどさ~まったく・・・・それから金曜は『今日の病院は何時まで俺は付き合えばいいの?』って言うんだよ、誰のための診察だと思っているんだか。」
「付き合っているのはこっちの方なのにね。」

それでも、妹は半分怒っていたが、半分は笑っていた。やっぱり腹を括ったのだと思う。

子供の頃、何かあれば説教されてその度に「周りの人に感謝しなさい」と感謝感謝と言われてきたけど、今になると当の本人がどうなのかな、と言う感じだ。お年寄りでも、いや、かえってお年よりの方が周りの人に感謝して、ニコニコしていたりするものだけど、どうもうちの父は周りに対して感謝の心を持っているようには思えない。今になってそれに気付いてしまった。

あの説教は一体何だったんだぁ・・・。
・・・って、私も将来子供にそう言われるのか、気をつけよう。