最近、毎日のように会社に着払いの荷物が届く。
上司BRさんが、某サイトのオークションでいろんなものを競り落としているからである。そのほとんどはパソコン部品で、時にパソコン本体やパソコンの画面である。このような部品を会社のある密室に貯めこんで、日夜研究をするのがBRさんの趣味なのである。
BRさんの目下一番のご自慢は、今本人が使っているパソコンである。もちろん、某サイトオークションで競り落とした品々を組み合わせて作った代物である。外枠はビデオデッキの中身をくり抜いたもので、この中にCPUとかその他いろんなものを上手く納めて作ったそうである。その外枠のビデオデッキも、どこかの不燃物のゴミ置き場から漁って来たそうで、恐れ入るほど彼の趣味の世界は深いのだ。
本当はここで上司BR自作パソコンを画像入りで紹介したい所だが、著作権で訴えられると困るので、やめておく。彼はそう言う事にやたら詳しくて煩くて、本人の年賀状の子供の写真にも、しっかりコピーライトが表示されているのであるからにして、きっと内緒で自作PCの画像をUPしたら、きっとただでは済まないと思われる。
何が書きたいのかと言うと、その某サイトのオークションである。
うちの会社のNさんが早速パソコンをぶっ壊してしまい、ハードディスクがパーになってしまったそうだ。(もちろん、我が社のPCはほとんどBRさんが2万位で某サイトオークションで仕入れた品物)
そこで、上司BRさんは例のごとく、某サイトオークションでハードディスクを手に入れたのだが・・・なんとそれは動かない壊れた代物だったらしい。
上司BRさんの話によると、パソコン部品は『動作未確認』と断り書きをしているものがあって、これは買って動かなくても、自己責任だそうである。BRさんはあまりに安いから疑いながらも、思わず手を出してしまったそうである。ちなみにその壊れたハードディスクを送って来た人の住所氏名も何も書かれておらず、確信犯さんだったようだ。
オークションの世界を知らない私は、これだけでも『そんなバナナ?!』って言いたくなる所だが、上司BRさんによると、そう言う事は決して珍しくないそうだ。すぐに調べたが、もうそのオークションIDを持つ人物は存在しないらしい。
私が驚いていると、更にBRさんは教えてくれた。
それからオークションにもサクラがあるそうだ。ある品物を出品した時に思ったよりも人気が出ないと、自分で作ったもう一つのIDでわざと品物を競って値段を上げるように仕向けるのだそうだ。
「だから、品物の競り相手のIDも俺は必ず見に行くのさ。」と上司BRさんは言うのだった。
オークションでも、水面下ではこんな駆け引きが行われているとは知らなかった。この駆け引きもまたオークションの醍醐味なのだろうか・・。
ちなみに、BRさんはその壊れたハードディスクを「同じようにオークションにかけて、こいつも売り飛ばしてやろう」と言っていた。ここをご覧の皆さんは、ご用心を・・・・。