藤沢周平のエッセーの中に、マルメロという一文がある。
知人から三個のマルメロが送られてきたという。砂糖漬けにして食べるものだと注釈が付いていた。ちょっと試食と小片を口に入れるが、余りお気に召さなかったらしい。ご夫人が砂糖で煮てみましょうと調理、それでも癖のある舌ざわりと砂糖の甘さに閉口して、後はまだ幼かったお嬢さんのお八つと成ったらしい。
細川護貞氏の著作に度々出てくる、このマルメロを使った「加世伊多」という熊本のお菓子がある。ポルトガル語 Caixa da Marmelada(マルメロ砂糖漬の箱)から、カセイタという名が生まれたらしい。何で又熊本の地でと首をかしげる。その歴史は三斎公まで遡り、肥後の貴重な献上品だったというから驚きである。マルメロの木の栽培もされていたらしい。一時期途絶えて護貞氏をして歎かせた熊本の銘菓も、今はある菓子舗のご努力で、僅かながら製造されて水前寺成趣園・古今伝授間の売店で販売されている。
甘さを抑えたほろ苦い味が、六十爺にはぴったりだ。
http://www.kobai.jp/web/products.html
知人から三個のマルメロが送られてきたという。砂糖漬けにして食べるものだと注釈が付いていた。ちょっと試食と小片を口に入れるが、余りお気に召さなかったらしい。ご夫人が砂糖で煮てみましょうと調理、それでも癖のある舌ざわりと砂糖の甘さに閉口して、後はまだ幼かったお嬢さんのお八つと成ったらしい。
細川護貞氏の著作に度々出てくる、このマルメロを使った「加世伊多」という熊本のお菓子がある。ポルトガル語 Caixa da Marmelada(マルメロ砂糖漬の箱)から、カセイタという名が生まれたらしい。何で又熊本の地でと首をかしげる。その歴史は三斎公まで遡り、肥後の貴重な献上品だったというから驚きである。マルメロの木の栽培もされていたらしい。一時期途絶えて護貞氏をして歎かせた熊本の銘菓も、今はある菓子舗のご努力で、僅かながら製造されて水前寺成趣園・古今伝授間の売店で販売されている。
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