私の部屋から健軍川が真下に見えるのだが、最近の数日は水無川に水が戻って小さな流れになっている。
2週間ほど前雨が降った折には、濁流となって水位が1.5mくらいは上がったのではないか。
その時水をかぶったはずの菜の花が川底の両岸に花が真っ盛りである。
近くを歩いてみると水がチョロチョロ流れてまさに「春の小川はさらさら行くよ~~」という風情で、思わず小魚でもいないかしらとのぞき込んだりする。
100mほど上流に堰があり、堰の下流は天気が良いとたちまち枯れ川になってしまうから、魚はさすがに見つけ出せない。
それでも、江津湖からだと思うが、アオサギが飛んできたり、カモの親子が少ない水の流れをたどってこのあたりまで遣ってくる。
今日は朝から薬を貰いに病院行、その帰り道「春の小川・・」と口をついて出てきたが、メロディーは「隅田川」になっていて「春の小川の隅田川~~」となり、口をつぐんでしまった。
隅田川は小川じゃないよな・・・しばらくして爺様の頭の回路がつながって、「春のうららの隅田川」となった次第だが、ついでに、この歌の元・出所が「源氏物語」であるという話を思い出した。
半藤一利氏の著書(見つけ出せないでいるが)では、源氏物語の訳者・田辺聖子氏がこの教えてくれたそうだが、どこに書いてあるかは教えてくれず、氏はずいぶん時間をかけて源氏物語を読み「胡蝶」の巻でそれらしい歌「春の日のうららにさして行く船は竿の雫も花と散りける」を発見されたという。私も源氏物語に親しんでいるが、胡蝶にたどり着くまでが大変だ。
つまり、「隅田川」の歌詞の元は、紫式部ということだろう。
我家の真下を流れる健軍川も今は「春の小川」の風情で、隅田川に負けず劣らず「春うらら」である。