Sightsong

自縄自縛日記

ルイ・スクラヴィス+ティム・バーン+ノエル・アクショテ『Saalfelden '95』

2018-05-07 14:03:45 | アヴァンギャルド・ジャズ

ルイ・スクラヴィス+ティム・バーン+ノエル・アクショテ『Saalfelden '95』(Noël Akchoté Downloads、1995年)を聴く。

Louis Sclavis (cl, bcl)
Tim Berne (as, bs)
Noël Akchoté (g)

1995年、ザールフェルデンでのライヴ。ジャケット写真はギィ・ル・ケレックである。なお同時期に同じくルイ・スクラヴィスを含めた音源をセットとして、ケレックは『carnet de routes』という写真集を出している。

怪物的な3人の共演であるからそれは面白い。

ノエル・アクショテがあやしくアウラを醸成し、その中で、スクラヴィスとティム・バーンが吹く。スクラヴィスは特にバスクラでは伽藍のごとき構造物を創り出す巨匠であり、一方で、バーンは遊撃的・猛禽類的に肉をついばんでいるような感がある。

●ルイ・スクラヴィス
ヨーロッパ・ジャズの矜持『Play Your Own Thing』
(2007年)
ジャズ的写真集(5) ギィ・ル・ケレック『carnet de routes』(1995年)

●ティム・バーン
ティム・バーン Snakeoil@Jazz Standard(2017年)
ティム・バーン+マット・ミッチェル『Angel Dusk』(2017年)
イングリッド・ラブロック UBATUBA@Cornelia Street Cafe(2015年)
ティム・バーン『Incidentals』(2014年)
イングリッド・ラブロック『ubatuba』(2014年)
ティム・バーン『You've Been Watching Me』(2014年)
ティム・バーン『Shadow Man』(2013年)
チェス・スミス『International Hoohah』(2012年)
ティム・バーン『Electric and Acoustic Hard Cell Live』(2004年)
ティム・バーン『The Sublime and. Science Fiction Live』(2003年)
ティム・バーン+マルク・デュクレ+トム・レイニー『Big Satan』(1996年)
ジョン・ゾーン『Spy vs. Spy』(1988年)
ジュリアス・ヘンフィルのBlack Saintのボックスセット(1977-93年)

●ノエル・アクショテ
フィル・ミントン+ロル・コクスヒル+ノエル・アクショテ『My Chelsea』(1997年)
コクスヒル/ミントン/アクショテのクリスマス集(1997年)


ジョシュ・シントン『krasa』

2018-05-07 08:38:19 | アヴァンギャルド・ジャズ

ジョシュ・シントン『krasa』(Irabbagast、2017年)を聴く。

Josh Sinton (contrabass clarinet)

コントラバス・クラリネットのみのソロ演奏、オーバーダブ無し。

よくわからない人ではあるがやはり面白い、ジョシュ・シントン。いちど演奏を観たときも、次なる音世界をにらんで自分が出す要素の効果を模索し続けるという印象があった。

ここではコントラバス・クラリネットが超低音であるからこそ高音ももたらしており、その鼓膜を痒くさせるような破裂音やノイズと相まって、まるでエレクトリックギターのようにも聴こえたりする。

ところでこれをリリースしたのはジョン・イラバゴンのレーベル。かれはジャズ寄りに移行したのかと思っていたのだが、実験的な世界もまだまだ見つめているのだな。

●ジョシュ・シントン
ヴィンセント・チャンシー+ジョシュ・シントン+イングリッド・ラブロック@Arts for Art(2015年)
ネイト・ウーリー『(Dance to) The Early Music』(2015年)
Ideal Bread『Beating the Teens / Songs of Steve Lacy』(2014年)
ネイト・ウーリー『(Sit in) The Throne of Friendship』(2012年)
ネイト・ウーリー『(Put Your) Hands Together』(2011年)


ジェイソン・モラン『Bangs』

2018-05-07 08:14:04 | アヴァンギャルド・ジャズ

ジェイソン・モラン『Bangs』(Yes Records、2016年)を聴く。

Jason Moran (p)
Mary Halvorson (g)
Ron Miles (cor)

変わった顔合わせだが、実際に音に接してみると、なるほど三者三様の色を発揮していて妙に納得する。

やはりロン・マイルスが入るとオールド・アメリカの雰囲気が醸し出されるのかな。メアリー・ハルヴァーソンもそんな流れのときにはアメリカンにコード演奏で合わせつつも、しかしやはり随時ぐにゃりと重力の特異点を落とし穴として差し出しており、つい笑ってしまう。変態だなあ。そしてジェイソン・モランは引き出しの多さを自然体で使って柔らかくまとめ上げている。

●ジェイソン・モラン
アーチー・シェップ『Tribute to John Coltrane』(2017年)
デイヴィッド・マレイ feat. ソール・ウィリアムズ『Blues for Memo』
(2015年)
ヘンリー・スレッギル(12) 『Old Locks and Irregular Verbs』(2015年)
ホセ・ジェイムズ『Yesterday I Had the Blues』(2014年)
ローガン・リチャードソン『Shift』(2013年)
トリオ3+ジェイソン・モラン『Refraction - Breakin' Glass』(2012年)
ポール・モチアンのトリオ(1979、2009年)


沼田順+照内央晴+吉田隆一@なってるハウス

2018-05-07 07:20:23 | アヴァンギャルド・ジャズ

昼のなってるハウス(2018/5/6)。

Jun Numata 沼田順 (g, electronics)
Hisaharu Teruuchi 照内央晴 (p)
Ryuichi Yoshida 吉田隆一 (bs)

ぱっと見た時点でえええと笑ってしまったメンバー。これは目撃しないわけにはいかない、と、入院中の病院から抜け出して駆けつけた。何でも仕掛け人は沼田社長(この日、ぎっくり腰)。

ファーストセットから面白い。照内さんはピアノでピアノとして参入するが、そのうちになぜか眼鏡をふっ飛ばしてしまい、足許にも見つからず続行。しかし横のふたりの音に恍惚としているように見える。そしてプリペアドへと移行し、沼田さんとともに割れた音でナマ音感のバリトンサックスを挟むような構造になった。

セカンドセットでは、事前に「意外とメロディアスだったのでめちゃくちゃにしよう」という協議があったらしい。照内さんは最初から内部になにやら放り込みまくり、うちわで扇ぎ、もっと割れた。吉田さんのバリサクにはめちゃくちゃさによってさらに火が点いたようで、ウェットなマシンガンと化し、ひたすら吹き続けた。沼田さんのエレクトロニクスも暴走が面白いのだが、さらに面白いことは、天気予報のアナウンスなどのサンプリングによって収束を目指す先が、なぜか夕陽のあたる昭和の街角になっていることであった。

●沼田順
中村としまる+沼田順『The First Album』(2017年)
RUINS、MELT-BANANA、MN @小岩bushbash(2017年)
内田静男+橋本孝之、中村としまる+沼田順@神保町試聴室(2017年) 

●照内央晴
『終わりなき歌 石内矢巳 花詩集III』@阿佐ヶ谷ヴィオロン(2018年)
Cool Meeting vol.1@cooljojo(2018年)
Wavebender、照内央晴+松本ちはや@なってるハウス(2018年)
フローリアン・ヴァルター+照内央晴+方波見智子+加藤綾子+田中奈美@なってるハウス(2017年)
ネッド・マックガウエン即興セッション@神保町試聴室(2017年)
照内央晴・松本ちはや《哀しみさえも星となりて》 CD発売記念コンサートツアー Final(JazzTokyo)(2017年)
照内央晴+松本ちはや、VOBトリオ@なってるハウス(2017年)
照内央晴・松本ちはや『哀しみさえも星となりて』@船橋きららホール(2017年)
照内央晴・松本ちはや『哀しみさえも星となりて』(JazzTokyo)(2016年)
照内央晴「九月に~即興演奏とダンスの夜 茶会記篇」@喫茶茶会記(JazzTokyo)(2016年)
田村夏樹+3人のピアニスト@なってるハウス(2016年)

●吉田隆一
藤井郷子オーケストラ東京@新宿ピットイン(2018年)
MoGoToYoYo@新宿ピットイン(2017年)
秘宝感とblacksheep@新宿ピットイン(2012年)
『blacksheep 2』(2011年)
吉田隆一+石田幹雄『霞』(2009年)