Sightsong

自縄自縛日記

刈部山本『東京「裏町メシ屋」探訪記』

2018-05-12 20:24:13 | 食べ物飲み物

刈部山本『東京「裏町メシ屋」探訪記』(光文社智恵の森文庫、2018年)を読む。

すごく楽しみにしていて、発売日に買ってきた。なにしろ「板橋しっとりチャーハン」の提唱者である。「町中華」もこの人抜きには語れない(たぶん)。

いや面白い面白い。こういう分野にマニュアルは無粋というものかもしれないが、とはいえ知らない町の魅力的な店や、近くまでしょっちゅう足を運んでいるのに知らないエリアのことなどが書かれていて、つい食べログに登録しながら読み進めてしまう。もちろん行ったことのあるお店が出てくると、やっぱりねと嬉しくなる。

また著者の視線は、なにも食堂や飲み屋だけではなく、東京の古層にも向けられている。

退院後のフィールドワーク(=飲み食い)のきっかけがまた出来た。ありがとうございます。

●参照
『ザ・閉店2 ―定食・洋食篇―』
(2017年)


マーク・エドワーズ+ウィーゼル・ウォルター『Solar Emission』

2018-05-12 19:51:39 | アヴァンギャルド・ジャズ

マーク・エドワーズ+ウィーゼル・ウォルター『Solar Emission』(ugEXPLODE Records、2011年)を聴く。

Marc Edwards (ds)
Weasel Walter (bass g)
Marcus Cummins (ss)
Jeremy Viner (ts)

マーク・エドワーズ(セシル・テイラー『Dark to Themselves』『Michigan State University, April 15th 1976』のドラマー)が、35年前と同じく腹の真ん中を叩き続ける。人は変わらない、大したものである。対するはノイズ怪獣ウィーゼル・ウォルター、ここではドラムスではなくベースギター。

サンダ対ガイラ、聴いていてアガるアガる。以上。

ところでエドワーズ氏はいまはジャズ・ライターもやっていて、はじめて翻訳しようとしたときに、そのかれだと気づき驚愕した。

●マーク・エドワーズ
「JazzTokyo」のNY特集(2016/10/1)ヨニ・クレッツマー『Book II』のレビュー
「JazzTokyo」のNY特集(2016/8/1)トマ・フジワラ+ベン・ゴールドバーグ+メアリー・ハルヴァーソン『The Out Louds』のレビュー)
セシル・テイラー『Dark to Themselves』(1976年)
セシル・テイラー『Michigan State University, April 15th 1976』(1976年)

●ウィーゼル・ウォルター
CPユニット『Before the Heat Death』(2016年)
ウィーゼル・ウォルター+クリス・ピッツィオコス『Drawn and Quartered』(2014年)
チャン+エヴァンス+ブランカート+ウォルター『CRYPTOCRYSTALLINE』、『Pulverize the Sound』(2013、15年)
クリス・ピッツィオコス『Maximalism』(2013年)
ウィーゼル・ウォルター+メアリー・ハルヴァーソン+ピーター・エヴァンス『Mechanical Malfunction』(2012年)
ウィーゼル・ウォルター+メアリー・ハルヴァーソン+ピーター・エヴァンス『Electric Fruit』(2009年)


ジョン・チカイ『Solo』

2018-05-12 07:48:29 | アヴァンギャルド・ジャズ

ジョン・チカイ『Solo』(FMP、1977年)を聴く。

John Tchicai (as)
Albert Magelsdorff (tb) (track-4)

ジョン・チカイは有名なわりに熱狂的なファンを見ない(ような気がする)。それというのも押し出しが弱いからである。

ここでも、普段の息遣いがそのままに増幅され、よろよろと揺らぐ。力によって弱さをコントロールしているというわけでもない。パワープレイによる興奮は皆無である。しかしそれによる幽玄さが魅力なのかもしれない。

最後の曲に、名手アルバート・マンゲスルドルフがデュオで参加する。さすが、見事にチカイの息遣いに寄り添っている。

●ジョン・チカイ
ジョン・チカイ『In Monk's Mood』(2008年)
ESPの映像、『INSIDE OUT IN THE OPEN』(2001年)
セシル・テイラーのブラックセイントとソウルノートの5枚組ボックスセット(1979、84、86年)
ロヴァ・サクソフォン・カルテットとジョン・コルトレーンの『Ascension』(1965、95年)
藤岡靖洋『コルトレーン』、ジョン・コルトレーン『Ascension』(1965年)
『Jazz in Denmark』 1960年代のバド・パウエル、NYC5、ダラー・ブランド(1962、63、65年)


ヨアヒム・バーデンホルスト『Kitakata』

2018-05-12 07:15:40 | アヴァンギャルド・ジャズ

ヨアヒム・バーデンホルスト『Kitakata』(Santé Loisirs、2015年)を聴く。

Joachim Badenhorst (bcl, cl)

2015/11/1-8に、喜多方のあちこちで収録された演奏である。古い手術室、日本酒の原水が湧き出る場所、田んぼ、いろいろ。鳥とのデュオもある。

かれのバスクラもクラも、このような佇まいに象徴されるようにとてもナチュラルであり、構築に向けた力が入っていない。ああ、心が安らぐ。それなのに、ハン・ベニンクのトリオで吹いていたり、オーケストラを率いていたりもするのだ。実にユニークな音楽家でありわたしは大好きである。

今年の最初に訊いたところ、春先の来日はなくなって、11月にでも来れるかなと言っていた。また新たな即興演奏に期待。

●ヨアヒム・バーデンホルスト
Spontaneous Ensemble vol.7@東北沢OTOOTO(2017年)
LAMA+ヨアヒム・バーデンホルスト『Metamorphosis』(2016年)
ハン・ベニンク『Adelante』(2016年)
安田芙充央『Erik Satie / Musique D'Entracte』(2016年)
ダン・ペック+ヨアヒム・バーデンホルスト『The Salt of Deformation』(-2016年)
カラテ・ウリオ・オーケストラ『Garlic & Jazz』(JazzTokyo)(2015年)
カラテ・ウリオ・オーケストラ『Ljubljana』(2015年)
パスカル・ニゲンケンペル『Talking Trash』(2014年)
ヨアヒム・バーデンホルスト+ジョン・ブッチャー+ポール・リットン『Nachitigall』(2013年)
ハン・ベニンク『Parken』(2009年)