Sightsong

自縄自縛日記

マブタ『Welcome to This World』

2018-05-24 20:06:04 | アヴァンギャルド・ジャズ

マブタ『Welcome to This World』(Kujua Records、2017年)を聴く。

Shane Cooper (b, g, Juno 106, Korg Minilogue, Microkorg, Moog Slim Phatty, Rhodes)
Bokani Dyer (p, Rhodes, Korg Minilogue)
Marlon Witbooi (ds)
Sisonke Xonti (ts)
Robin Fassie-Kock (tp)
Reza Khota (g)
Shabaka Hutchings (ts) (tracks 2 & 3)
Buddy Wells (ts) (track 5)
Chris Engel (as) (track 5)
Janus Van Der Merwe (bs) (track 5)
Tlale Makhene (perc) (tracks 2,5,7)

『ラティーナ』誌2018年6月号の南アフリカジャズ特集に掲載されている。

実ははじめは割と大人しくパンチが無いという印象だったのだが、他のものを聴いてはまた戻っているうちに面白くなってきた。シェーン・クーパーのベースがずっと効いており、その周囲をきらびやかにまとった要素が多彩。展開が変わるときのナチュラルさが良いと思える。確かにダンサブルな時間があり、また、アフリカ音楽だと思わせてくれるメロディもある。気持ち良い。


The Art of Escapism『Havet』

2018-05-24 19:42:49 | ヨーロッパ

The Art of Escapism『Havet』(fortune、2016-17年)を聴く。

Ania Rybacka (vo, effects)
Lo Ersare (vo, effects)

「The Art of Escapism」はデンマーク在住の女性ふたりによる即興ヴォーカルデュオである。

ヨーロッパ人の声を耳に入れたいという理由だけなのだが、想像以上に幅広く、身体の内部を撫でられている感じを受ける。朗々と昔からの歌を詠むようなところもあり、また、喉歌の倍音も、コーラスにより厚みを付けたところもある。

2曲目の「Think Think Think」では、「ever」だとか「my skin」だとか言ったような「近くの言葉」とともに、「think」が重なり収斂してゆく。音声だけではなく、何かの意味を持って使われてきた言葉の力はあるものだ。仮にこれが英語でなく理解できぬ言語であっても同じに違いない。

また、東欧のバブーシュキ『Vesna』マリア・ポミアノウスカ『The Voice of Suka』でも感じたことだが、声を発したときの響きはアイヌのマレウレウを聴くときと驚いてしまうほど同じ感覚を持つMAREWREW, IKABE & OKI@錦糸公園マレウレウ『cikapuni』、『もっといて、ひっそりね。』