フリン・ヴァン・ヘメン『Drums of Days』(Neither/Nor Records、2014年)を聴く。
Todd Neufeld (g)
Eivind Opsvik (b)
Flin van Hemmen (p, ds)
Tony Malaby (ts, ss) (2)
Eliot Cardinaux (Poem) (4)
驚くほどに静かで考え抜かれた音である。これはもちろんメンバーの力量と方向性とがあってこそだ。
フリン・ヴァン・ヘメンは決して奇抜だったりことさらに目立とうとする音は出さない。ピアノにおいても、ドラムスにおいてもである。この感覚は蓮見令麻さんが本盤のレビューに書いている通りである。一聴、かれの独特さには気が付かない。しかし耳をそばだててみると、自然環境に溶け合って、アンビエントなサウンドを創りだしていることがよくわかる。気持ちいいというのか、哀しいというのか。
このことはトッド・ニューフェルドのギターについても言うことができる。考え抜いた音「しか」出さない人に違いない。また、アイヴィン・オプスヴィークのサウンドへの融合もさすがである。この中に1曲のみ参加するトニー・マラビーも然りだ。
このサウンドを物足りないと言ってはならない。聴けば聴くほど自分の動悸に気付かされるようなアルバムである。
●フリン・ヴァン・ヘメン
『While We Still Have Bodies』(2016年)
While We Still Have Bodies@Children's Magical Garden(2015年)