Sightsong

自縄自縛日記

マタナ・ロバーツ+サム・シャラビ+ニコラス・カロイア『Feldspar』

2018-05-08 20:25:52 | アヴァンギャルド・ジャズ

マタナ・ロバーツ+サム・シャラビ+ニコラス・カロイア『Feldspar』(Tour de Bras、2011年)を聴く。

Matana Roberts (as)
Sam Shalabi (g)
Nicolas Caloia (b)

2011年、モントリオールにおける共演。

サム・シャラビはエジプト出身の弦楽器奏者であり、ここでは、割れたような音色とともに中東音階の演奏を行う。また地元のニコラス・カロイアのベースもユニークであって、ふたりでマタナ・ロバーツを取り囲むような浮遊するサウンドを作っている。

その中のマタナ。Coin Coinシリーズを知っている今、このようにアンビエントな雰囲気で人の匂いがするアルトを吹くという指向性があったのだなと思える。実際に、このときにはじまったことでもなく、2002-03年頃の「Sticks and Stones」において土埃にまみれたサックストリオの音を出していたのだった。

●マタナ・ロバーツ
マタナ・ロバーツ「breathe...」@Roulette(2017年)
マタナ・ロバーツ『Coin Coin Chapter Three: River Run Thee』(2015年)
マタナ・ロバーツ『Always.』(2014年)
マタナ・ロバーツ『The Chicago Project』(-2007年)
アイレット・ローズ・ゴットリーブ『Internal - External』(2004年)
Sticks and Stonesの2枚、マタナ・ロバーツ『Live in London』(2002、03、11年)


ダン・ペック+ヨアヒム・バーデンホルスト『The Salt of Deformation』

2018-05-08 17:20:45 | アヴァンギャルド・ジャズ

ダン・ペック+ヨアヒム・バーデンホルスト『The Salt of Deformation』(Tubapede Records、-2016年)を聴く。

Joachim Badenhorst (cl, bcl, tubes, some Flemish chanting)
Dan Peck (tuba, tubes)

ダン・ペックの下からのロングトーンやグロウルが、まさにこのジャケット画のように暗い中でのさまざまな形を描き出している。ひたすら吹いて音のグラデーションを作る間、何を考えているのだろう。

それと対話したり、雰囲気の中で散歩したり遊泳したりする、ヨアヒム・バーデンホルストのクラやバスクラ。思索しながら中間領域に居続ける音が本当に好きなのだ。旅や日常生活の様子をアップする、かれのインスタグラムのようで。(今年の11月ころにまた日本に行こうかな、とか言っていた。楽しみだ)

とくにグラデーションがドラマになってしまう、5曲目のタイトル曲にグッとくる。熱烈推薦。

●ダン・ペック
イングリッド・ラウブロック UBATUBA@Cornelia Street Cafe(2015年)
ブランカート+エヴァンス+ジェンセン+ペック『The Gauntlet of Mehen』(2015年)
イングリッド・ラウブロック『ubatuba』(2014年)
PEOPLEの3枚(-2005、-2007、-2014年)
トニー・マラビー『Scorpion Eater』、ユメール+キューン+マラビー『Full Contact』(2008、13年)
ネイト・ウーリー『(Sit in) The Throne of Friendship』(2012年)

●ヨアヒム・バーデンホルスト
Spontaneous Ensemble vol.7@東北沢OTOOTO(2017年)
LAMA+ヨアヒム・バーデンホルスト『Metamorphosis』(2016年)
ハン・ベニンク『Adelante』(2016年)
安田芙充央『Erik Satie / Musique D'Entracte』(2016年)
カラテ・ウリオ・オーケストラ『Garlic & Jazz』(JazzTokyo)(2015年)
カラテ・ウリオ・オーケストラ『Ljubljana』(2015年)
パスカル・ニゲンケンペル『Talking Trash』(2014年)
ヨアヒム・バーデンホルスト+ジョン・ブッチャー+ポール・リットン『Nachitigall』(2013年)
ハン・ベニンク『Parken』(2009年) 


ローガン・リチャードソン『Blues People』

2018-05-08 09:21:31 | アヴァンギャルド・ジャズ

ローガン・リチャードソン『Blues People』(Ropeadope、2017年)を聴く。

Logan Richardson (as)
Justus West (g, vo)
Igor Osypov (g)
DeAndre Manning (b)
Ryan Lee (ds)

ブルースとロックを濃厚に入れ込んだ作品。すこし懐古的なテイストもあるけれど、ツインギターによるむんむんとした夜の雰囲気は悪くない。それに乗せてリチャードソンが透明なロングトーンを吹き続けていて、まるで夜の映画である。ライヴをやるとしてもこのようなサウンドをキメまくるのかな。

リチャードソンの前作『Shift』はパット・メセニーとの相性がどうもいまひとつだったのだが、今回のギターでハマった感じ。

●ローガン・リチャードソン
ローガン・リチャードソン『Shift』(2013年)
ローガン・リチャードソン『Cerebral Flow』(2006年)