ビル・マッケンリー『Solo』(Underpool、-2018年)を聴く。
Bill McHenry (sax)
ビル・マッケンリーのソロサックス集。ほとんどに曲名が付されておらず、まるで毎日のエチュードのエクササイズのようだ。
マッケンリーはフリー寄りの演奏をすることはあっても苛烈だったり奇抜だったりすることも特にないし、かといってソニー・ロリンズやケン・ヴァンダーマークのように豪放だったり、スタンダードが特に巧いというわけでもない(アンドリュー・シリルとのデュオを観たとき、「Bye Bye Blackbird」のアドリブは実に物足りなかった)。
そうではなく、ほとんどの部分を中音域で攻める。しかし聴けば聴くほど味がある。音色を微妙に変化させているし、ときにスティーヴ・レイシーばりにベンドさせたりもする。微妙な倍音も良い。おそらく自分の片手でピアノを弾きながらの共演も響きに工夫があって面白い。なんだか動悸動悸する。
●ビル・マッケンリー
アンドリュー・シリル+ビル・マッケンリー『Proximity』(2014年)
ビル・マッケンリー+アンドリュー・シリル@Village Vanguard(2014年)
エリック・レヴィス『In Memory of Things Yet Seen』(2014年)
US FREE 『Fish Stories』(2006年)
ビル・マッケンリー『Ghosts of the Sun』(2006年)