Sightsong

自縄自縛日記

カーロ・デローザ『Brain Dance』

2018-05-16 20:14:03 | アヴァンギャルド・ジャズ

カーロ・デローザ『Brain Dance』(Cuneiform Records、2009年)を聴く。

Carlo DeRosa (b)
Mark Shim (ts)
Vijay Iyer (p, key)
Justin Brown (ds)

目当てはいくつかあった。

カーロ・デローザのカッチョいいベーステク。宇宙遊泳的なジャスティン・ブラウンのドラムス。尖がったヴィジェイ・アイヤーのピアノとキーボード。

で、ぜんぶ一応は聴けるのだけれど、驚くほどつまらない。以上。

●カーロ・デローザ
ジーン・ジャクソン(Trio NuYorx)『Power of Love』(JazzTokyo)


滝田ゆう『下駄の向くまま』

2018-05-16 19:35:58 | 関東

神楽坂のクラシコ書店に足を運ぶといつも閉まっていて、先日、ようやく入ることができた。想像通りステキな古書店で、ほどよく整理されている。しばらく悩んで、2冊をわがものにした。そのうちの1冊、滝田ゆう『下駄の向くまま 新東京百景』(講談社、1978年)。

東京の盛り場や渋い町を散歩し、そのまま飲むだけのエッセイである。だけ、なのだが、もちろん面白いのだ。自由になったらいくつか健在の飲み屋に行こう。どじょうは別に食べなくてもよいのだけれど。

やはり、滝田ゆうの絵を味わうには単行本くらいでないと物足りない。たとえば、合羽橋商店街の奥行きの表現力といったら素晴らしいものだ。今回じろじろと観察していて、意外に建物の線がよれておらず真っすぐだということを発見した。よれるのはマチエールであり気持ちなのである。

ところでもうひとつ発見。旧赤線の洲崎パラダイスの入り口あたりに洲崎橋があったわけだが、いままで、あのへんだろうと漠然としか思っていなかった。実はよく行くインド料理店のカマルプールのすぐ向こう側だということがわかった。なお橋が架けられた川は、滝田ゆうが訪れたときには水が流れず草ぼうぼうであり、いまは緑道になっている。

●滝田ゆう
滝田ゆう展@弥生美術館


マカヤ・マクレイヴン『Highly Rare』

2018-05-16 18:52:44 | アヴァンギャルド・ジャズ

マカヤ・マクレイヴン『Highly Rare』(International Anthem、2016年)を聴く。

Makaya McCraven (ds)
Junius Paul (bass g)
Nick Mazzarella (as)
Ben Lamar Gay (cor, diddley bow, voice)
with cameos by
Gira Dahnee (background voice)
LeFtO (turntables)

2016年11月、シカゴのDanny's Tavernというライヴスポットに、LeFtOのDJをサポートするという形でシカゴの面々(International Anthemオールスターズ)が入ったときの記録。もとはカセットテープでリリースされている。

確かに異様にカッコ良くてずっと聴いていても快感物質が分泌されまくる。ドープ、クール、コミューン的、民族音楽的、まあ何でもいいのだけど。それにDJイヴェントでの生演奏でアガることだってもう珍しくもないのだけど。オーネット・コールマンのモロッコとの出逢いを追体験しているみたいだ。

このサウンドや、ここにも参加しているベン・ラマー・ゲイのサウンドなどが中核となって、従来の文脈でのシカゴのジャズとどう結びついてどんな異形生命体となっていくのかに興味がある。

●ベン・ラマー・ゲイ
ベン・ラマー・ゲイ『Downtown Castles Can Never Block The Sun』(-2018年)
マシュー・ルクス(Communication Arts Quartet)『Contra/Fact』(-2017年)
ジェイミー・ブランチ『Fly or Die』(-2017年)


マシュー・シップ『Not Bound』

2018-05-16 09:23:43 | アヴァンギャルド・ジャズ

マシュー・シップ『Not Bound』(fortune、2016年)を聴く。

Matthew Shipp (p)
Daniel Carter (fl, tp, ts, ss, cl)
Michael Bisio (b)
Whit Dickey (ds)

曲単位ではなくアルバム全体での大きな流れがある。これは、「そのような一気通貫の即興演奏」をたまたま仕掛けた結果というよりも大きな意味があるだろう。むしろ、マシュー・シップ、ダニエル・カーター、マイケル・ビシオという音楽家の独特さが積極的に反映された結果のようである。

以前にダニエル・カーターのプレイを観たときに(トッド・ニコルソン+ニューマン・テイラー・ベイカー+ダニエル・カーター@6BC Garden)、蓮見令麻さんが、伴奏のようなユニークなスタイルだと言った。ここでもそうなのであって、カーターはフルート、トランペット、サックス、クラと管を持ち替えながら、音のラインを主導するのではなく、大きな流れに付いたり離れたりして、その流れを染色する。語られることは少ないが、とても面白い多楽器奏者だと思う。

一方、マイケル・ビシオは、憑りつかれたかのように、ベースの絶えざる演奏によって流れを創り出す人である。そしてマシュー・シップのピアノには、いつも、構造に向かう強すぎるほどの意思を感じる。何があろうととにかく構造へと回帰する。

●マシュー・シップ
マシュー・シップ『Piano Song』(2016年)
ジョン・ブッチャー+トマス・レーン+マシュー・シップ『Tangle』(2014年)
マット・ウォレリアン+マシュー・シップ+ハミッド・ドレイク(Jungle)『Live at Okuden』(2012年)
ジョン・ブッチャー+マシュー・シップ『At Oto』(2010年)
DJスプーキー+マシュー・シップの映像(2009年)