日々のつれづれ(5代目)

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【本】H.D.ソロー著 「森の生活」(岩波文庫)

2010-03-13 06:40:43 | 本・映画・展覧会
 「罪と罰」なんざ筆頭、「大菩薩峠」しかり、「徳川家康」もそう…その書名と書評に触れてから幾星霜、未だ手付かずといった書が山ほどあり、きっとそれらは累々と「心の積ん読リスト」に残ったままなのだろうな…

 そんなリストに載っていた本書、読む気になったのは雑誌「BE-PAL」に何とあの「たがみよしひさ」がマンガを描いたからなのだ!(何て安直…)

 たがみよしひさと言えば「軽シン」こと「軽井沢シンドローム」である。軽井沢を舞台にしたちょっとアウトロー的な青春群像に引かれ、雲場池界隈を散策したり作品の舞台になった喫茶店を訪ねたり…今で言う「聖地巡礼」ですな、おじさんは20年以上も昔にやっていたのだよフッフッフ。

 アウトドア誌なBE-PALとインドア(引き篭り)なたがみよしひさ、何ともシュールなコラボレーション。その連載モノ「アウトドアズマン列伝」の第一作で紹介されているのが本書の著者・H.D.ソローなのだ。20年経っても作品に感化されちゃうのねワシ…

 しかし、積ん読リストにランクされているだけあって、上下巻たった2冊を読むのが大変。ちょうど仕事は忙しくなっちゃうわ、図書館からは「早く返せやゴルァ」って催促メール来ちゃうし。それでも何とか読み終えた…読んだと言うより活字をなぞっただけかも…のは、マンガに後押しされ自分の心の中の宿題を少しでも片付けたかったからと言う虚仮の一念。


 ここらへんで書くのを終えたいのだが、さすがに本書に触れないのはマズイか(笑)。物語は著者がわずか2,3年を過ごした米国マサチューセッツ州コンコードの町外れ、ウォールデン湖(池?)のほとりの生活を通じて思索した「自由とは」「真に豊かな生活とは」という事柄を、夏に始まり春で終わる四季の風景や作業、行動を描きつつ説いている。

 正直、難しい!訳注がいっぱいついているのだが、それはソローの文書は格調高くかつ様々な古典(聖書や神話や劇の科白)からの引用やもじりが多いためらしく。それらを一々対比させるのに疲れ、途中からそうした「背景説明」は飛ばして読んだ。瑣末な(と言うのはこの本の素晴らしさの理解をスポイルすることに他ならないのだが)表現は飛ばし、そのセンテンス、そのパラグラフで著者が何を書きたいかを掴むことを心掛けながら…疲れた。

 きっと数週間経ったらこの本の中身は自分のアタマの中から消えてしまい、「俺はソローの『森の生活』を読み通したんだぜぇ!」という自己満足しか残っていない気がする。なんかそれって、自分の旅のスタイルにも似てないか?


参考サイト:iBE-P@L「ウォールデン紀行」
 http://www.bepal.net/b_choi/0405forestlife/kikou.html

 2010年3月8日 JL914(OKA→HND)機中にて読了
コメント (2)
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