本を読んで新たな知識を得たり、漠然と思ってたことが整理されてスッキリすることはままある。だが「そうか、そうなのだ!」とまで思える本はさほど多くない。それはひとえに自分の経験が乏しく、自分にフィットする部分のある本を探すのが困難を極めるというだけのことなのだが…本書は珍しくその「そうか、そうなのだ!」と思えた一冊。
海外に行ったり外国人と接すれば接するほど日本が分からなくなり、世界における日本の立ち位置に疑問を感じることは珍しくなかろう。比較的海外諸国に出かけることの多い自分も例外ではなくて、そんな気持ちからこの本を手にとったのであるが。日本が分からないと嘆いていて「世界を知る力」と言う本を手に取るのはオカシイ?
読書の常で本文の前に「おわりに」を読み、書かれていた「マージナルマン」と言う定義に心惹かれる。「π型人間」とちょっと通じる部分があるが、著者によれば境界人と言う意味、複数の系の境界に立つ生き方。「複数の系」を単純に公私と捉えても良いが、複数の専門分野ならなお良かろう(それこそπ型人間だ)。
内容はなかなか刺激的だ。アメリカと言う「フィルタ」を通じて世界を見ることの愚かさ、華人ネットワークと言う「大中国」の考え方、ユダヤ人とは、等々。実感を伴う部分は少ないはずなのに「そうかぁ」と納得してしまう解説の平易さ(どこかに見落としはないのだろうか?)…
こうした実例を挙げた最後に著者は、世界を「知る」方法、「議論」の大切さ、「情報」の意味などを説いている。特に若い人にはこの部分だけでも読んで欲しいが、最初から読んでもナニ大した量ではない。
それにしても、つい最近になって「書を捨てよ、町へ出よう」を読んだばかりのところ本書中に「書を捨てずに街に出よう」などと言うパラグラフに出くわしたのは偶然とは言え凄いことじゃないか!?
2011年4月13日 通勤電車車中にて読了
海外に行ったり外国人と接すれば接するほど日本が分からなくなり、世界における日本の立ち位置に疑問を感じることは珍しくなかろう。比較的海外諸国に出かけることの多い自分も例外ではなくて、そんな気持ちからこの本を手にとったのであるが。日本が分からないと嘆いていて「世界を知る力」と言う本を手に取るのはオカシイ?
読書の常で本文の前に「おわりに」を読み、書かれていた「マージナルマン」と言う定義に心惹かれる。「π型人間」とちょっと通じる部分があるが、著者によれば境界人と言う意味、複数の系の境界に立つ生き方。「複数の系」を単純に公私と捉えても良いが、複数の専門分野ならなお良かろう(それこそπ型人間だ)。
内容はなかなか刺激的だ。アメリカと言う「フィルタ」を通じて世界を見ることの愚かさ、華人ネットワークと言う「大中国」の考え方、ユダヤ人とは、等々。実感を伴う部分は少ないはずなのに「そうかぁ」と納得してしまう解説の平易さ(どこかに見落としはないのだろうか?)…
こうした実例を挙げた最後に著者は、世界を「知る」方法、「議論」の大切さ、「情報」の意味などを説いている。特に若い人にはこの部分だけでも読んで欲しいが、最初から読んでもナニ大した量ではない。
それにしても、つい最近になって「書を捨てよ、町へ出よう」を読んだばかりのところ本書中に「書を捨てずに街に出よう」などと言うパラグラフに出くわしたのは偶然とは言え凄いことじゃないか!?
2011年4月13日 通勤電車車中にて読了