イスラムが世界を席巻する時代が来るとまでは思わないが、経済(アラブマネー)だけでなく政治的に従来以上にパワーを持つ日はそう遠くない(もしくは来ている)とは思う。決して無視しうる存在ではないのだが、近寄り難く感じてしまうのは厳しい戒律のせいか、テロ集団を容易に生み出す教義に見えるからか。
だが、何となく遠巻きに見守ってしまう日本人に対しイスラムの人々は日本に対し親近感や尊敬心を持つ割合が高いという。本書ではその要因となった事例を開設し、その実態を統計により証明している。
事例に関して言えば、過去に聞いた話が殆どである。トルコの遭難船救助の話、ペルシャ湾に乗りつけた出光タンカー日章丸の話、そして最近はアニメだ(イラク派遣の自衛隊の給水車にキャプテン翼のラッピングがされたのは記憶に新しい)。イメージとは大事なもので、いったん形成されるとそれが変わるのは難しい。我々だって上野公園の偽テレカ売りとか3・11事件とかなければ、イスラム教徒=危険なんてイメージは持たなかったのではあるまいか?
統計の部分は嬉しい結果であるけれども、正しい値か判断するのは難しい。調査する階層(性別や年齢、特に職業と学歴)によるブレが大きいと思われるからだ。ただ正確な数値はともかく、半島や大陸の近隣諸国に比べ日本のイメージが良いという漠然とした結果は間違いない(と信じたい)。
いつも思うのだが、日本はいつまで過去からの外交政策を踏襲し続けるのだろうか。アメリカ偏重は解消できないとしても、アジア・アフリカ(もう出遅れだ)といった地域的くくりだけでなく本書に見るイスラム国家軍、或いは思い切って親日国との関係強化を推し進めなくて良いのだろうか。そういう国々の経済的貢献度は低くても、それ以外のメリットがあるのではないかと思うのだが。無闇に怖がらず、積極的に近寄ってアピールしても良いのではないかと思うのは理想論過ぎるのだろうか。
2014年11月12日 通勤電車にて読了
だが、何となく遠巻きに見守ってしまう日本人に対しイスラムの人々は日本に対し親近感や尊敬心を持つ割合が高いという。本書ではその要因となった事例を開設し、その実態を統計により証明している。
事例に関して言えば、過去に聞いた話が殆どである。トルコの遭難船救助の話、ペルシャ湾に乗りつけた出光タンカー日章丸の話、そして最近はアニメだ(イラク派遣の自衛隊の給水車にキャプテン翼のラッピングがされたのは記憶に新しい)。イメージとは大事なもので、いったん形成されるとそれが変わるのは難しい。我々だって上野公園の偽テレカ売りとか3・11事件とかなければ、イスラム教徒=危険なんてイメージは持たなかったのではあるまいか?
統計の部分は嬉しい結果であるけれども、正しい値か判断するのは難しい。調査する階層(性別や年齢、特に職業と学歴)によるブレが大きいと思われるからだ。ただ正確な数値はともかく、半島や大陸の近隣諸国に比べ日本のイメージが良いという漠然とした結果は間違いない(と信じたい)。
いつも思うのだが、日本はいつまで過去からの外交政策を踏襲し続けるのだろうか。アメリカ偏重は解消できないとしても、アジア・アフリカ(もう出遅れだ)といった地域的くくりだけでなく本書に見るイスラム国家軍、或いは思い切って親日国との関係強化を推し進めなくて良いのだろうか。そういう国々の経済的貢献度は低くても、それ以外のメリットがあるのではないかと思うのだが。無闇に怖がらず、積極的に近寄ってアピールしても良いのではないかと思うのは理想論過ぎるのだろうか。
2014年11月12日 通勤電車にて読了