角幡唯介氏の「新・冒険論」では「憧憬のヒマラヤ」が紹介されており、そちらに気を取られ迂闊にも本家「冒険論」を読むのが後回しになってしまった。そもそも「新」を読む前に読むべきではなかったか。更に言えば、もし「新」を先に読んでしまったのであれば、「本家」を読んだ後でもう一度「新」を読むべきではないのか。内容に入る以前に考え込んでしまった。
さて、「パイオニア・ワーク」である。その道の開拓者、先駆者としての行為、業績。登山においては、突き詰めればチョモランマ(エヴェレスト、世界最高峰)が登られてしまえば、あとはバリエーションルートだろうが冬季だろうが、単独だろうが無酸素だろうが、そして第二以下の高峰だろうが、等しく無意味とし、以降の登山はすべて「スポーツ」だとする。これはもう是非の問題ではなく、哲学の問題であろう。「二番ではダメなんですか」と言った政治家と討論させてみたい。
終章は堀江謙一とか植村直己との対談、エピソードも踏まえつつ各々の人物が考える「冒険」についての突っ込んだ討論は面白かった。文庫化されていないため読むのは少々面倒だが、読んで良かった。
2020年2月20日 自宅にて読了
さて、「パイオニア・ワーク」である。その道の開拓者、先駆者としての行為、業績。登山においては、突き詰めればチョモランマ(エヴェレスト、世界最高峰)が登られてしまえば、あとはバリエーションルートだろうが冬季だろうが、単独だろうが無酸素だろうが、そして第二以下の高峰だろうが、等しく無意味とし、以降の登山はすべて「スポーツ」だとする。これはもう是非の問題ではなく、哲学の問題であろう。「二番ではダメなんですか」と言った政治家と討論させてみたい。
終章は堀江謙一とか植村直己との対談、エピソードも踏まえつつ各々の人物が考える「冒険」についての突っ込んだ討論は面白かった。文庫化されていないため読むのは少々面倒だが、読んで良かった。
2020年2月20日 自宅にて読了