そもそも「社会的共通資本」とは何か。知らなくて構わない、本書の冒頭に定義がある。【ゆたかな経済生活を営み、すぐれた文化を展開し、人間的に魅力ある社会を安定的に維持する―このことを可能にする社会的装置が「社会的共通資本」である。】共通資本と言うとインフラばかり連想してしまったが、もっと広義のものだと知った。農業(と言うか第一次産業)が含まれるし、教育や医療なども含まれる。
そういう定義は良かったが、各章に入ると著者がどういう主張をしたいか、よく解らない。世界史的にそれぞれの分野がどう定義され、実際にどう動き、その結果どういう問題が生じたか。その過程はほぼ整理されているが、どうあるべきか、どうすべきかが解らない。当然ながら各々の分野における問題解決は簡単に書き表せるものではないだろうし、ただ一つしか道がないはずもない。それでも冒頭【】内前半の高邁な理想に向かっての展望まで書いてあって欲しかった。「まとめ」の章がないことが、そう思わせたのかもしれない。
2023年2月3日 自宅にて読了
そういう定義は良かったが、各章に入ると著者がどういう主張をしたいか、よく解らない。世界史的にそれぞれの分野がどう定義され、実際にどう動き、その結果どういう問題が生じたか。その過程はほぼ整理されているが、どうあるべきか、どうすべきかが解らない。当然ながら各々の分野における問題解決は簡単に書き表せるものではないだろうし、ただ一つしか道がないはずもない。それでも冒頭【】内前半の高邁な理想に向かっての展望まで書いてあって欲しかった。「まとめ」の章がないことが、そう思わせたのかもしれない。
2023年2月3日 自宅にて読了