作者が10年ほど前にアラスカで撮った、わずか1日の作品群を展示する写真展。静かな海と、ホッキョクグマと、鳥たち。異様なのは、鯨の死骸だろうか。博物館の骨格標本のようだ。
環境破壊とか野生動物保護とか訴えようとする風でもなく、ただ作者が美しいと思えた風景を共有したくて写真展を開いたように見えるのは、単純すぎか。
2023年6月17日 ソニーイメージングギャラリー銀座にて
作者が10年ほど前にアラスカで撮った、わずか1日の作品群を展示する写真展。静かな海と、ホッキョクグマと、鳥たち。異様なのは、鯨の死骸だろうか。博物館の骨格標本のようだ。
環境破壊とか野生動物保護とか訴えようとする風でもなく、ただ作者が美しいと思えた風景を共有したくて写真展を開いたように見えるのは、単純すぎか。
2023年6月17日 ソニーイメージングギャラリー銀座にて
本書はそうした環境の変化も含め、昭和の時代から築かれていた鉄道の事業構造の根本的問題、上下分離もしくはそれに相当する財政支援策などについて述べており、興味深い事例も紹介されている。
一方で疑問、ヨーロッパにおける鉄道復権と言えそうな事例が紹介されているが、日本と沿線人口状況や流動性向などが異なり安易に比較できないと、同様の事例紹介を見るたびに思っている。それに、アメリカではごく少数のAMTRAKを除き、長距離旅客輸送網から鉄道は撤退しているが、それでも国内移動は行われているが、日本もそれではダメなのか。鉄道好きではあるけれど、最近は「鉄道ありき」と言う議論はいかがなものかと思う自分なのである。
「交通」とタイトルにある通り、鉄道ばかり述べているわけではない。例えばバスでは、競合路線区間の事業者間の調整が談合に当ると指摘されてうまくゆかないナンセンスな例なども挙げている。一方、貨物輸送まで考えた海運、空運については、あまり触れられていない。
本書で著者は「部分最適な取り組みでなく、国家としての交通システムはどうあるべきかで取り組むことが必要」といった趣旨の論を展開しているが、その通りだろう。だがそれが所管省庁のナワバリ争い、もしくは責任の押し付け合いで中々うまくゆかないであろうことは、想像に難くない。地方交通の輸送量の減少と運輸事業者の人手不足で既に運休や減便が続出している現実は、「危機」が被害妄想な絵空事でなく、「崩壊」が現実に起こっていることを示している。10年、20年先の日本の交通地図はどうなっているのだろうか。
2023年6月17日 自宅にて読了