作家・宮沢賢治の愛した故郷・岩手。その夜の風景ばかりの写真展。先日惜しまれつつ運行を終了した「SL銀河号」でもおなじみの「めがね橋」こと宮守川橋梁、郊外の山から撮った町の夜景とバックの星空など、美しい写真が並ぶ。
実際には長時間露光しないとこのような光景は見られないのだが、美しい風景は幻想なのだよと皮肉っては失礼であろう。風景でなく天体撮影がメインフィールドである作者なので、表現したかったのの作品の上側なのだろうが、そのために岩手に19回も通ったという熱意はどこから来たのか、尋ねてみたい。
2023年6月16日 新宿・Nikonプラザ東京 フォトスクエアにて
「『和毛(にこげ)」は、もふもふとした柔らかい毛という意味になります。』だそうだ。読めなんだ。まさにその通り、北の大地に棲息する大小さまざまな動物たちの写真展。癒されるって陳腐だけど、まさにそんな感じ。
キタキツネとかヒグマとか、そういう動物なら撮影も比較的容易な気がする。だがそれが小さなエゾモモンガだったりナキウサギだったりシマエナガだったり、冬の撮影など寒いなかどれだけ待って撮影したのだろうと労苦を想像してしまう。その甲斐あって、見事な写真ばかり。
こういう作品群を見ると、北海道の自然の中を歩いて見たくなる。もちろん、行ってすぐに彼らに出会えるわけもないのだけれど。
2023年6月16日 新宿・ニコンプラザ東京 THE GALLERYにて