著者を知ったのは「超」整理法を読んだ時だったと思う。調べてみたら1993年刊行だったので、30年以上も前。以来「超」シリーズですっかりおなじみになった感があるが、それが逆にマンネリ感を呼ぶ気がしている。
久しぶりに読んだ著者の本、書いてある「理由」はもっとも。特に生産性が低い部分については著者の得意分野のはずなので、本書のテーマは著者向きだと思える。生産性が低いのは、個々の消費者もしくはユーザーの要求に合わせ、作業の万全を期すための裏返しであるようにも思えるのだが…。
一方で著者が「学者」だなあと感じたのは、原因の究明追求に大半の頁を割き、ではどうすればと言う対策についての言及が少ない点。そこは現場の方々や為政者の仕事、具体的な部分は様々なので私は原則論しか申し上げられないと言うことなのだろうが、何十年も日本社会をウォッチし続けてきたベテランの言としては物足りないのではないか。
2024年5月12日 JL634便(熊本→東京)機中にて読了