日本におけるユースホステル(YH)運動もそろそろ60年になろうとしている。個々のYHの「名物ペアレント」はさておき、「運動」としての功労者と言えばやはり協会創設期に奔走したメンバーとなるのだろう。で、それって誰?と言えば一時期はYHの名称にも「冠」の付いた中山正男、そして横山祐吉といった名前は知っていたが、本書に紹介された金子智一、who?なのだった(少なくとも自分は)。
本書は、その金子智一がYH運動を知り日本の協会づくりから拡大、充実期に渡り活躍し、さらにウォーキング運動へと活動の場を移してゆく姿を時代順に描いている。ずっと若い著者が金子の縁者、遺族などをインタビューした記録から構成しており、家庭をあまり顧みなかった様子を除けば好意的一辺倒。運動そのものも比較的順調に広まり根付いていったように書かれており(確かにそういう時代だったかもしれない)、多少の「山坂」もなかったのかと物足りなく思うのは疑いが強すぎるだろうか。
興味深いのは作品中に紹介される統計資料で、最盛期日本のYHはその数600弱!今は?約270だそうである(JYHのHPより)。YHの衰退はペンションブーム、そして今はビジホ。更には旅行する若者の現象(少子化と比率低下の両方)。時代が変わればニーズは変わる。ニーズが変わる中、創設時の精神を掲げたYHの経営は成り立つのだろうか?いち会員でありながら心配である。
日本のYH運動を記すHP中の紹介ページ:
http://www.shiruman.net/1-info-13.htm
2010年4月20日 自宅にて読了
本書は、その金子智一がYH運動を知り日本の協会づくりから拡大、充実期に渡り活躍し、さらにウォーキング運動へと活動の場を移してゆく姿を時代順に描いている。ずっと若い著者が金子の縁者、遺族などをインタビューした記録から構成しており、家庭をあまり顧みなかった様子を除けば好意的一辺倒。運動そのものも比較的順調に広まり根付いていったように書かれており(確かにそういう時代だったかもしれない)、多少の「山坂」もなかったのかと物足りなく思うのは疑いが強すぎるだろうか。
興味深いのは作品中に紹介される統計資料で、最盛期日本のYHはその数600弱!今は?約270だそうである(JYHのHPより)。YHの衰退はペンションブーム、そして今はビジホ。更には旅行する若者の現象(少子化と比率低下の両方)。時代が変わればニーズは変わる。ニーズが変わる中、創設時の精神を掲げたYHの経営は成り立つのだろうか?いち会員でありながら心配である。
日本のYH運動を記すHP中の紹介ページ:
http://www.shiruman.net/1-info-13.htm
2010年4月20日 自宅にて読了