日々のつれづれ(5代目)

旅行レポート以外の、細々としたこと。
割とまめに書くようにしています。
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【本】レイチェル・カーソン著・青樹簗一訳 「沈黙の春」(新潮文庫)

2010-04-23 22:14:11 | 本・映画・展覧会
 「森の生活」を読んだんでその流れで「古典」に挑戦。

 長い。ちょっと飽きる。と言うのは、化学物質(具体的には農薬散布)が直接そして連鎖反応的に生活を脅かす様がデータと共に延々と綴られているから。そして正直、現代で少し環境問題に興味を持ってる人であれば特に目新しくは感じない、むしろ「対応策」については「いやそれはちょっと」と思わないでもない部分があるのは否めない。「古典」は全て不朽だと言うのは、そうした意味ではウソかもな。

 だがしかし、時を経れば経るほど「良くぞあの時代に」と輝きを増す部分もある。アメリカがアメリカらしく輝いていた(とされる)50年代から60年代、その栄華の一方で自然は次々と破壊され、何も知らない人々が傷つけられていた。その告発の書がきちんと刊行されていたことに驚く。

 食物連鎖による毒物の蓄積が「頂点」である人間に被害を及ぼす…水俣病と何ら変わらないではないか。そして元凶となった物質の危険性について、企業や国はその責任を認めないのも変わらず。そしてそれは今もきっと、アジアかアフリカか南米か、どこかの国で続いているのではないか。

 やはり「先見の書」だった。これを読んだ我々は何をしたら良い?

 2010年4月21日 自宅にて読了
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【本】佐藤嘉尚著 「歩々清風 金子智一伝 ~ウォーキングとユースホステルに生きた男」(平凡社)

2010-04-23 07:00:18 | 本・映画・展覧会
 日本におけるユースホステル(YH)運動もそろそろ60年になろうとしている。個々のYHの「名物ペアレント」はさておき、「運動」としての功労者と言えばやはり協会創設期に奔走したメンバーとなるのだろう。で、それって誰?と言えば一時期はYHの名称にも「冠」の付いた中山正男、そして横山祐吉といった名前は知っていたが、本書に紹介された金子智一、who?なのだった(少なくとも自分は)。

 本書は、その金子智一がYH運動を知り日本の協会づくりから拡大、充実期に渡り活躍し、さらにウォーキング運動へと活動の場を移してゆく姿を時代順に描いている。ずっと若い著者が金子の縁者、遺族などをインタビューした記録から構成しており、家庭をあまり顧みなかった様子を除けば好意的一辺倒。運動そのものも比較的順調に広まり根付いていったように書かれており(確かにそういう時代だったかもしれない)、多少の「山坂」もなかったのかと物足りなく思うのは疑いが強すぎるだろうか。

 興味深いのは作品中に紹介される統計資料で、最盛期日本のYHはその数600弱!今は?約270だそうである(JYHのHPより)。YHの衰退はペンションブーム、そして今はビジホ。更には旅行する若者の現象(少子化と比率低下の両方)。時代が変わればニーズは変わる。ニーズが変わる中、創設時の精神を掲げたYHの経営は成り立つのだろうか?いち会員でありながら心配である。

 日本のYH運動を記すHP中の紹介ページ:
 http://www.shiruman.net/1-info-13.htm

 2010年4月20日 自宅にて読了
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