日々のつれづれ(5代目)

旅行レポート以外の、細々としたこと。
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【本】岩波明著 「精神障害者をどう裁くか」(光文社新書)

2010-04-22 07:19:25 | 本・映画・展覧会
 毎日不調で家と会社(無言)の行き帰り、ついに書く事がなくなった…実際、家に帰って来てからもちょこっと本を読んで寝てしまうので何のネタもない。というワケで本日も読後メモです(以後しばらく続く?)。

 世の中あまたある事件の下手人(古いな)すべてが「心神喪失」もしくは「心神耗弱」状態であるはずもないのだが、何となく凶悪事件の多くで弁護側はそうした「特異な精神状況」を主張することが多いように感じる。まぁ凶悪な事件を正常な精神状態でやっちゃう方がオカシイとも思うけど…

 で、精神鑑定の結果弁護側の主張が認められると、被害者・その関係者にとってはやるせないほど軽い処分になって、さらに悪いことに軽い処分で社会に「復帰」した加害者が再び重罪を犯すと言う…なんて悲劇。

 本書は、そうした事例および精神障害者と認定された加害者(被告)の取り扱い、また刑務所内での処遇、統計による出所後の足取りなど、さまざまな情報を与えてくれ興味深い。少なくとも統計で見る限り、再犯率は高いんだよ…

 最近になって、こうした精神障害者への軽い処分は正当か?と言う議論を割と聞くようになったのは、世の中が世知辛くなったと言うことだけでなく、罪は罪として罰するべし(被害者や関係者の感情にも配慮して)、と言う意識が強まっているからなのだろう。

 現行制度に大きな欠点があるのは何とかならないものか。それは触法精神障害者(と読んで正しいのか?)の服役後の社会復帰パスが皆無に等しい点。今やフツーの人でさえ就職難の時代、そこを整備しろって言うのも難しいとは思うけど…確かに服役後は社会に「放り出して」しまうと言う表現は当たらずとも遠からずだろう。そして行き詰まった彼等は再び犯罪へ…嗚呼。

 なんか救いようの無い負の連鎖って感じね、これは。

 2010年4月18日 自宅にて読了
コメント
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