『お釈迦様』シリーズが『マリみて』シリーズに追いついた!
と言っても、しっぽに辿り着いただけだけど。
でも、これにより同じ事件、イベントが異なる視点で語られ、立体的になってくる。
だから、同じセリフの箇所が出てくる。(当然だけど)
『マリみて』で言えば、シリーズ初巻で、祐巳と祥子さまのスール問題が絡んでくる。
そこで、「マリみて」初巻を再読した。(いったい何度目の再読だろう)
色々見えてきたものがある。
次のような会話がある。(P96)
【志摩子と祐巳の会話】
「私では祥子さまはだめだと思ったの。逆に、私にも祥子さまではだめなのよ、きっと」
「どういう風に?」
「祥子さまのこと好きだけど、私たちは相手に求めるものが違うの。だから、与えられるものも違うわ」
「・・・・・・・難しすぎてわからない」
しかし、わからない、と言っていた祐巳も心で感じ、わかるようになる。
最終段階になると、次のような会話とシーンがある。(P216~P225)
【祐巳と祥子の会話】
「柏木さんが警察に連れていかれるの、嫌ですよね?」
「どうして、そう思うの?」
「顔に、そう書いてあります」
「私のこと、よくわかるのね」
「・・・・・・はい。どうしてだか、すごく」
さらに、祥子様が柏木に平手打ちをして駆け去るシーン。
それを追いかける柏木を祐巳が転がし、祥子を追いかけていく。
そして、温室でのシーン。
シンクロ率100%になる瞬間である。
「スクールフェスティバルズ」でも、このシーンは登場する。(P165~P173)
ただし、柏木の視点で。
興味深いのは祐巳が祥子さまを追いかけていったシーンでの次の描写。
気のせいかもしれないが、ロサキネンシスの表情にも若干の敗北感が見られた気がした。
この描写だけでも、読んだ価値有り。
【ネット上の紹介】
リリアンの薔薇さまが花寺に登場! 花寺学院の学園祭。ミス花寺コンテスト(女装)の審査のため、リリアン女学園の薔薇さまたちが花寺にやってきた。祐麒たち1年生は口をきくこともできず…。(「薔薇さまin花寺」)ほか1編を収録。

松田志乃ぶさん最新刊。
今回は、初めての西洋モノ。
私は松田志乃ぶさんの平安朝を舞台にしたシリーズのファン。
いったいどのような『西洋モノ』を書かれるのだろうか?
気になったのでさっそく読んでみた。
内容はロマンチックコメディ+ファンタジー。
平安朝シリーズほどではないが、楽しめる。
マザーグースのパロディや、ミステリ要素もある。
けっこう盛りだくさんの割にツボを押さえている。
PS
「乙嫁語り」を思い出した。
光源氏と紫の上の逆バージョン。
これって、今時の乙女のツボなんでしょうね。
【ネット上の紹介】
嫁ぎ先は、“悪魔城”!? スプリング男爵家の末娘ジュリエット。ある事情から、お嫁に行くのをあきらめていた彼女に、求婚者が現れた! 相手は名門・バジル伯爵家の美貌の跡継ぎ。でも、バジル一族にはある不穏な噂が…!?