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文藝春秋増刊 2011年8月号

2011年07月12日 21時48分09秒 | 読書(ノンフィクション)


文藝春秋増刊 2011年8月号 つなみ~被災地のこども80人の作文集

被災地の子どもたちの作文集。
3.11、当日の様子を、知ることが出来る。
子どもたちの飾らない文章。
それだけに、かえってストレートに訴えるものがある。
両親や友人を失った子どもたち。

大切なものもながされました。(P24)

・・・このように書いているのは小学2年女子。
この子は、母親と弟を失っている。
主語として母親のことを書けないんでしょうね。

外はいつの間にか、雪がちらついていました。寒さで、目がさめたとたん体と手がふるえました。学校の時計はとまっていました。
今、気がつきました。こわさと不安とで、体がふるえているんだと思いました。
(小学4年女子)P66

さて、批評もしておく・・・構成について。
もし、私なら地図、絵、写真を増やして、構成に変化をつけたと思う。
町や村の様子はどうか?
津波の来る前と後の写真や図で、説明したり。
子どもたちはどのような経路で逃げたのか?
地図で分かりやすく説明したり。
そういうのが欲しかった。

だから、もうひと工夫ほしい、と感じた。

ちなみに、このような本を作ろうという発想は、「三陸海岸大津波」(吉村昭さん)からもらったそうだ。たしかに、「三陸海岸大津波」にも、当時の子どもの作文も挿入されている。

【ネット上の紹介】
●直筆文章を原稿用紙のまま掲載。(それぞれ写真と解説つき)
●カラーグラビア16ページ「子供たちの被災地スマイル+絵画作品集」
東日本大震災による津波に直面した子供たちが、地震の瞬間や、津波を目の当たりにしたときに何を感じたか。家族や親友を失った悲しみ、避難所の暮らし、そして今、何を支えにしているのかを綴ってくれた文集です。