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「はむ・はたる」西條奈加

2011年10月01日 09時40分44秒 | 読書(小説/日本)


「はむ・はたる」西條奈加

タイトルについて次のような説明が作品の中でされている。

「異国ではこういう女のことを、――というそうだ」
「『はむ・はたる』?」
「ファム・ファタルだ。長崎に行ったとき、知り合うた通詞の男が教えてくれた」
何度かくり返してもらったが、どうしても『はむ・はたる』ときこえる。
「男を惑わす女のことだ。遠い異国にも同じような女がいるものかと、なにやら不思議に思えた」


江戸時代を舞台に、孤児達の集団がいきいきと描かれる。
これはよかった、おもしろかった。
6つの短編が収録され、連作長編となっている。
それぞれ事件がおこり、解決されていく。
仇の女『はむ・はたる』は最後の章に登場する。
敵討ちのゆくえはどうなるのか?

【ネット上の紹介】
大人になるって、こういう女(ファム・ファタル)に出会うことなのか・・・!?孤児ばかりのすり集団の一味だった、勝平、三治、登美たちは、深川三軒町の金貸し・お吟との縁で、今では御家人の長谷部家に見受けされる身。稲荷鮨売りやお吟の手伝いをしながら、次第に働くことの意味を学び始める中、長谷部家の次男でふらふら病と揶揄される、旅暮らしの柾さまが帰ってきた。柾さまは得意の似顔絵で商いをしながら、子供たちと知恵を合わせて様々な事件を解決していくのだが、そのうちに柾さまには忘れられない男女の仇がいることが明らかになる――