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「嘆きの美女」柚木麻子

2013年05月02日 21時35分57秒 | 読書(小説/日本)


「嘆きの美女」柚木麻子

今年2月、アンソロジー「あのころの、」を読んだ。
窪美澄さん目当てであったが、柚木麻子作品も良かった。
それで気になっていたので、読んだのが本作品。
なかなかよかった。

耶居子は、ブスで性格も悪い引きこもり。
不可避事情により、他人の家に厄介になることになる。
その家の住人が、そろいも揃って美人ばかり。
なんと因果な!
友情と成長を描いた作品。

美人だからといって幸せではない。
耶居子の持つ『毒』が美女たちにどんな『化学反応』を及ぼすのか?
さらに、それが自分にどう跳ね返ってくるのか?
ハッピーエンドは「お約束」なので、文句を言ってはいけない。
そういう「フィクション」なんだから。
ストーリー展開も、キャラクター造形もよく出来ている。
ほとんどの読者は満足する、と思う。(私は75%満足)

なお、本作品はNHKでドラマ化された。
割と評判は良かったようだ。
NHKオンデマンド 嘆きの美女

【ネット上の紹介】
生まれつき顔も性格もブスな耶居子は、会社を辞めほぼ引きこもり。顔のにきびをつぶすことと、美人専用悩み相談サイト「嘆きの美女」を荒らすことが最大の楽しみだった。ところが、ある出来事をきっかけに「嘆きの美女」の管理人のいる、お屋敷で同居するハメに…。美しくても、美しくなくても、たくましく生きる女性たちの姿を描く。外見、趣味、食べ物、男性からの視線―。生きてきた環境があまりにも違う彼女たちが、いつの間にか繋がっていく。女の人たちの物語。

「あのころの、」窪美澄他、アンソロジー